(ほぼ)寝過さない方法

朝、起きるのが辛い、という人は少なくないと思う。長い時間寝たなら寝たでダルいし、短い時間しか寝てなかったら単純に寝足りなくて眠い。個人的に「朝だ!素晴らしい目覚めだ!」という爽やかな朝なんてどこかリゾートへでも行った時くらいしか経験がない。たいていは「もう朝か、ダリ〜、眠てえ、起きたくねえ」という感覚がほとんどで、いつまでもグダグダしていたいタチ。

しかし早朝に、ちゃんと起きなければならない時がたまにある。で、こういう朝に弱いタチだと、なかなか起きられないんだろうな、と思われがちだけれど、実はちゃんと起きられる方法がある。もちろん、誰でもできるかどうかわからないし、たぶん個人差が大きいだろうけれど、自分は或る方法で(ほぼ)確実に早起きできる。といっても、たとえば「明日は5時半に起きる」とか目標を設定して目覚まし時計のアラームで目覚めるようにきっちりその時刻に起きられるわけではない。ただ単に「短い睡眠時間で起きる」というだけ。要するに、たとえば0時過ぎに寝るとして「四、五時間後に起きる」と決めると、まあまあそれくらいに起きることができる。一応、セーフティネットとして目覚ましはかけておいた方が無難だけれど、たいていはアラームが鳴る前に起きていて、鳴らないように先に止められる。

その「(ほぼ)寝過ごさない」方法とは、寝る前に大量に何か飲み物を飲むこと。自分はトイレが近いので、寝る前に膀胱を空にした状態で何か飲んでおくと、数時間後には好むと好まざるとに関わらず尿意で目覚めてしまう。この、普通なら面倒くさい体質を逆に利用して起きる、というわけ。体感的に、仮に眠剤を服んで寝ても、飲み物をガブ飲みしておけば、4、5時間後にはふっとオシッコに行きたくなって目覚める。で、もしその時刻が狙った時間より多少早くても、トイレへ行った後はもう寝ない。二度寝してしまったら元も子もない。この方法を使えば、若干寝不足気味になることは避けられないものの、なんとか普段より早い時間でも起きられる。

これを他人に言うと「漏らしたりしないのか?」とよく突っ込まれるけれど、流石にもういい大人だからお漏らしはしない。少なくともこれまでにただの一度も失敗はない。いくらぐっすりと寝ていても、おしっこに行きたくなれば、自然に起きる。そもそもおねしょをしたという記憶自体が自分には全くない。もちろんオムツの頃はしていただろうけれど、そんな時代は覚えていないからノーカウント。最も幼い頃の記憶って幼稚園の頃だけれど、おねしょの記憶はない。

ま、おねしょの懸念はともかく、むろんこの方法は、トイレが近くない人は使えないし、近い人でも毎日この方法で起きていたら体調が崩れまくるだろうけれど、単発的にたまに何らかの乗り物の都合等で「明日は4時半に起きなくちゃ」みたいに非日常的な早起きをしなければならない時には便利。そういう朝は目覚まし時計より自分の膀胱の方が信頼できる。目覚まし時計のアラームなんて、本気で爆睡している時は無意識のうちに止めて寝続けてしまったりするから、個人的にはそんなに信用できない。

尤も、この起き方というか眠り方では、無防備で安らかな熟睡感は決して得られない。ぶっちゃけ、起きることはできるけれども、あまり寝た気はしない。そして断るまでもなく、逆にいうと、自分の場合、ぐっすり眠りたい時は寝る前に飲み物は飲まないし、飲めない。飲んだら、起きたくなくても起きてしまうから、ふだん寝る前は基本的に何も飲まない。最低でも三十分くらい前には飲んで、ベッドに入る直前にトイレで絞り出してから寝ている。