トリアエズ

少し前に退院してシャバに戻った。休むと言いつつ、このままずっと放置すると(死んだか?)と思われかねず、それも嫌なので、いちおう生還(大袈裟)報告だけ。

何はともあれ、病院では理屈と数値でいろいろと全否定されまくり、今後、改めるべきこと、やっていかなくてはならないこと、等を容赦なく突きつけられ、正直うんざりしている。

病名は書かないので(というか書く気は無いけれど、コロナではない)こんなものを読んでもイミフでウザいかもしれないけれど、入院といっても期間中ずっとシリアスな状態が続いて治療のためにベッドに縛り付けられていたということはなく、最初のうちこそ24時間ずっと機械で制御する方式の点滴の針が腕に刺さっていて、クスリをドバドバ入れられながら、トイレとか行く際には看護婦さんの付き添いが必要だったけれど、その付き添いが不要になってからは、ひとりでわりと自由に院内のコンビニとか検査フロアとかその点滴タワーを連れて歩いていた。で、その点滴も数日で外れてタワーから解放され、その後は朝食後と夕食後に薬を飲みながら、日中にちょこちょこといろんな検査をしていた感じで、要はひたすらゴロゴロしていた。

もちろんこのコロナ禍なので、世の中はもう完全に緩みまくっているけれど、院内は別。たとえ親族でも面会は一切不可だし、入るときにはPCR検査や肝炎の検査をやった。ただ、おそらくどこの入院病棟でもそんなものかと思うけれども、いったん中に入ってしまえば、マスクの装着に関してはそんなに厳しくなくあんがい緩く、スタッフは常に完全装着だけれど患者は検査やコンビニなどで病棟のフロアから出るとき以外は外していても良かったし(つか患者はみんな検査してから入っているので病棟内はきほん陰性の人しかいない)、電話も自分のベッドで自由に使えたし(通話もネットも)、ご飯も病院食のわりにはふつうに美味しかったし、後半は毎日シャワーを浴びることができたし、とにかく検査の他にはとくに何もすることがなく、ひたすら暇過ぎる時間を潰すこと以外はそれほど苦行ではなかった。入院中のエピソードを書け、というならいくらでも書けそうなくらいなかなか面白いことやなかなかヘヴィなこと等いろいろとあったけれど、それを書くためには病名を明かさなければならないし、悪いけれどそんな構ってちゃんみたいなことはしたくないので、かといってそこをボカして詳細に何か書いても意味不明で余計に鬱陶しいだろうから、ひとまず全部やめておく。そのうち落ち着いたら単なる記録として個人的にはオフラインのテキストか手書きのノートに顛末を残すかもしれない。何せ入院なんて滅多にあることではないので(あっても困る)、一応自分のための覚え書きとして、いつ何をやったかとか、メモは取ってある。ただまだそういうのを纏めようという気力がない。

それにしても、だいたい予定通りの期間で病院から出てきたはいいけれど、なんか体力が落ちたみたいで、何をやるにもダルいし、すぐ疲れる。根気もなく、集中力もない。まあ、来週にはソロソロと社会にも復帰する予定だけれど、もしもコロったら最悪なので、どうせどこかへ遊びで出かけるとかは当分ないし、というか億劫だからそもそもどこへも行きたくないし、どのみちしばらくはまだ外来で病院へ通わないといけないみたいだから、地味におとなしくしているつもり。毎日朝晩自分史上最大量の薬をキッチリ飲んでいるし、継続してやらなければならないことがあって記録もつけなければならず、それは主治医のチェックがあるのでインチキできないし、ひたすら面倒くさい。というか自分的に「地道」に「継続」って最も苦手なことなのでひたすら気が滅入る。なのでいつまで続くか知らんけれど、半年とか一年とか遠くは見ず、これまでよりコロ助を警戒しながら、できるだけリスクの高いことは回避しつつ「とりあえず年内」とか近視眼的に物事を捉えることでそのプレッシャーというかストレスから逃れようと思っている(念のために書いておくけれど、別に近々死ぬかもとかそういうことではない)。

しかし、もういちおう元気は元気なのだけれども、さすがに今回はいくら自分がバカでもバカなりにいろいろ考えさせられた(何せ病室では孤独で暇で時間だけはたっぷりあった)。当たり前だけれど、なんやかんや言いつつ、人間はやはり健康であることがいちばんだとつくづく思った。寧ろそれ以外はどうでもいい。どうでもいいというか、どうにかなる。その点、健康はどうにもならない。今回、そのことを改めて実感させられた。

いずれにせよ、まあ仕方ない。誰のせいでもない。今でももう人と話すときは半分以上笑い話にしているけれど、一度落ちた暗い影はまだちょっと自分の中で完全には払拭しきれていない。そのへんはたぶん当分無理そう。自分みたいな人間のクズでも、生きていれば、まあいろいろある。時には今回みたいに不意打ちを喰らうように想定外のことも起きて、ぶっちゃっけ嗤うしかない。どうせ想定外のことが起きるなら宝くじとか当たればいいのに、世の中甘くない。

というわけで、この後はちょっと開くと思うけど、それではまた。