保証期間

家電をはじめとして、当たり前だけれど、たいていのモノには「保証期間」というものがある。新品で買ったモノ、或いは有償の修理に出して戻ってきたモノ、どちらにもだいたい一年ほどの「保証期間」がある(修理の場合はそれより短い場合も)。だからというわけでもないけれど、AppleCareも一番最初にMacを買った時には入ったけれど、どのみち一年延長されても、そもそもその間にはまず壊れないので、アップル製品の何を買ってももう入ったことがない。

だいたいこれまでに「保証期間」内に何かが壊れて、無償で修理できたことなど一度もない。何かが壊れるのは、決まって「保証期間」が終わってから。しかも、ほとんどの場合「直すより買い換えた方が安いですよ」的なパターン。つまり例としては何かが壊れたとき「修理するなら三万、でも五万出せば最新型の新品が買えますよ」みたいなパターンが多い。とくに電化製品が壊れるときは、たいていこの買い換えコース。

もちろん中には、保証期間を過ぎていても、製品側で問題が発覚して、リコールか何かで無償修理になることはある。そして、このパターンなら、ふたつほど記憶がある。

ひとつは、白い初代のMacBook。これは本当に次から次へと色々なパーツに問題が出て、その都度ストアへ持っていき、ほとんど無償で修理した気がする。最終的にはパームレストまで新品になった記憶がある。ただ、あれはバッテリーが膨張しまくって、結局二回くらいバッテリーを買った気がする(初代はバッテリーが取り外せたので交換が安価で簡単だった)。ちなみにこの白い奴は、もうバッテリーは外していて付いていないけれど、電源ケーブルで繋げば今でも使えるので、当然OSの更新は切られていてクッソのろいけれど動くことは動くので、ファイル保管庫として時々使っている。

もうひとつはゲーム機のXbox。これもレッドリングだかで無償修理だった気がする。しかも修理に出してもまたすぐに同じ症状が出て、「また壊れた」と電話して送ったら、最終的には無償で整備品か何かの別の筐体と交換された。それ以降、故障はなかったので、どうやら自分が買ったのはハズレ筐体だったのかもしれない。ちなみに今現役で使っている自分的には二代目のXboxは故障知らず。というかゲームなんて「Forza Horizon」しかやらないけれど。

で、なぜ保証期間の話が急に浮かんだかというと、ちょっと前に、ワイヤレスイヤホンが、ある日着けたら、突然片方だけ音が小さくなってしまっていたというか、ほとんど聞こえなくなってしまっていたから。ただまあこれはもう結構古いので、当然保証なんかとっくの昔に切れていたし(そもそも保証書とかもない)、イヤホン自体は、昔のiPhoneiPodに付いてきたものやその他の有線があってType-Cへの変換アダプタもあるし、ワイヤレスもゲオで千円で買ったやつがあるので、まあ壊れたなら壊れたで修理に出す気なんかなかったのだけれど、タダなら話は別だし、一時期はなんとなくバッテリーがへたってきたような気がしていたけれど最近は「気のせいだったか?」という感じでふつうに使えていたので、「どうせ壊れるなら保証期間内に壊れろや」と思った。で、「結局、保証期間内に無償修理したモノなんて何もないな」と思ったというわけ。

しかしこのイヤホンの不調は、故障かどうかかなり怪しかった。というのも、片方だけ完全に聞こえなくなったわけではなく、微かに音は出ていたから。つまり、片方は正常に音が出ていて、片方だけ音量がめちゃくちゃ小さくなっていた。なので(壊れたなら、片方だけでも全く音が出なくなるのではないか?)と考え、ひとまず取扱説明書を見て再起動してみた。というかイヤホンの再起動なんて初めてやった。

しかし、変わらず。それでも、イヤホンはカナル型なので、とりあえずイヤーピースを外してみた。すると、軸の部分の内部にメッシュ状の膜が張ってあって、一見しただけでは特に異常はなさそうだったものの、メッシュの部分の目が相当細かかったので(もしかして埃か耳垢か何かで詰まっているのではないか?)と思い、どうせもう壊れているならダメ元だと開き直りつつ、綿棒にアルカリ電解水を吹いてその部分を拭いたり、針の極細の先端でメッシュの部分が破れないように細心の注意を払いながらそっと外周や全体を突いてみたり擦ってみたり、エアダスターで吹いたりしてみた。

そうして、一通りやったあと、試しに音を出してみたら、なんと少し音が大きくなった。なので、(これは故障ではなく、どこかは特定できないもののどこかに何かが詰まっているだけかも)と思い、さらに入念に針の先端でメッシュ部分を全体的に慎重に刺すというか擦って、エアダスターで吹いた。

すると、やがてついに見事に音がちゃんと出るようになった。要するに、今回は故障ではなく、軸の中のメッシュの部分の目のどこかが埃か耳垢か何かで詰まっていただけだったっぽい。ただ、詰まっているものが埃なのか耳垢なのか、何かは特定はできなかったし、そもそも何かが詰まっていたとしても、詰まっている様子を目視では確認できなかった。それでも、何かが詰まっていたことだけは多分確かで、そこでふと考えてしまった。もしもこれが保証期間内で、修理に出したらどうなっていたのだろうか? と。つまり「壊れたぞ」と送ったはいいものの、向こうに着いてから検査され「故障ではなく、耳垢が詰まっていました」なんて返されたら、けっこう恥ずかしい思いをするところだった。

ところで、保証期間とは別の話なのだけれど、ユニクロの返品というか交換のシステムが何気にすごかった。というのも、或る子が、メンズとレディースを間違えて買ってきてしまって、家でメンズであることに気づき、まだ着ていないしタグも外していないしレシートもあるので、レディースと交換可能かどうか買った店に電話したらしい。そうしたら、接客で忙しいのか誰も電話に出ず、仕方ないので、家から近い別のユニクロに電話してみたらしい。そうしたら、その店では電話が繋がり、事情を説明したら、買った店ではないのに「お持ちいただけばこちらでも交換できます」みたいに言われ、実際にその家の近くの購入した店ではない店へ行って、交換できたらしい。

その話を聞いた時、シンプルに「ユニクロってすげーな」と感心した。未使用でレシートがあって買ってすぐなら購入した店で交換はできるだろうけれど、同じチェーンとはいえ別の店でも交換できるというのは想定外だった。