神とマウント

最近、このふたつの言葉を目にする度、耳にする度に、またか、とうんざりした気分になる。何より「神」はあまりに安売りされすぎ。商品紹介の際などに、ちょっと良さげなものがあると枕詞のようにすぐ「神」をつけたがるものの、しかし、たいていはべつに大したことない。

そしてちょっと揉めると、すぐに「マウント」。人間関係はレスリングや柔術じゃないんだから、いちいちほんとうに面倒くさい。上でも下でもどうでもええやん、としか思わない。個人的には、何か雑談とかしていて(あ、こいつ張り合ってきてるな)と感じたときは、速攻で(はいはい)という感じで自ら下手に出て身を引く。この手の輩は、付き合っていると疲れるから、スルーが無難。

というか、昔から変に負けず嫌いで何かとなぜか張り合ってきて上に立とうとする鬱陶しい輩はふつうにいたけれど、この「マウント」だの「マウンティング」だのという言葉ってほんの数年前までは、人間関係で使われることってなかった気がするし、これらの言葉がなんともこの頃の世の中をどんよりさせているような気がしてならない。いったいいつ誰が人間関係に絡めて言い出したのか知らないけれど、変な言葉を世の中に蔓延らせてしまったものだ、と思う。もちろん、こういう言葉自体はプロレスや総合格闘技なんかでは普通に使われていたものだけれど、人間関係に持ち込んだ時点ですごく面倒臭い言葉になってしまった。

 

で、言葉といえば、いま最もホットなワードは何と言っても「令和」。発表の瞬間はみんなとテレビで見ていたけれど、スガ氏が「令和」と言った瞬間、

 

(゜Д゜) ハア?


という微妙な空気が流れ、一緒に見ていた殆どの連中が「昭和のパクリかよw」とか「和は使ったばかりじゃねーか」とか、そんな反応だったけれど、自分もそう思った。ただ「レイワ」という言葉の響きは良かった。近くに「昭和」がなければ特に何の問題もなさそうだった。それでも正直、漢字の座りはあんま良くないと思った。なんとなくバランスが悪い。語源的に問題が生じてしまうけれど、「令」の字には何かヘンを付けた方がしっくりきそうな気がする。たとえば「怜和 」とか「玲和」とか。

ま、そうはいっても、結局は「令和」に慣れていくのだろうけれど。