バカみたいではあるものの

なんとなく気分が落ちている時に、わりと効果的なのが、自分の場合、夜にイヤホンをつけ、暗めの部屋でZARDの曲をひたすら聴く、という方法。ボリュームを少し上げ気味にして、もう本当に「溺れる」という感じでひたすら坂井泉水の歌声に浸る。これは、側からしたらひたすらバカみたいではあるものの、けっこう効く。

というかZARDの場合、まず坂井泉水が超絶美人であることはいうまでもないけれど、歌声の透明感が圧倒的だし、それでいて歌詞がグサグサ刺さる。ZARDの歌は基本的に、女の子が男の子に想いを寄せる系統の歌詞なので、落ちている時にイヤホンでひとりでひたすら聴いていると、たとえそれが誤解や錯覚でも心を開けば垂直に沁みて気持ち良い。

ただ、坂井泉水の場合、いわゆる"歌姫"感はあまり感じない。でも、なんと言ったらいいのかわからないけれど、とにかくスペシャリティ感がある。それでも、ZARDの曲で何がいちばん好き? と訊かれると、ほんとうに困る。この質問には答えようがない。全部いい、どれもいい、としか答えようがない。たとえば「負けないで」なんて、24時間テレビのせいで垢や汚れがつきまくっていて、ふだんならちょっと敬遠気味なのだけれど、ひとりで夜中に聴くと、そういう穢れが全部削ぎ落とされて、やっぱいい曲だな、と思えるから不思議。「ドリームタイム」とクリソツとかぜんぜん関係ない。ZARDの歌は魔法。

しかし「美人薄命」とはまさに坂井泉水のためにあるような言葉。存命なら、いま五十代半ばくらいだろうけれど、凄まじい美人のままだと思う。かわいくて美人、という奇跡のバランス。たぶん、リアルに彼女より年下で、年上の綺麗なお姉さんに憧れる系のうちらくらいの男どもは、たいてい坂井泉水が大好きだと思う。というか、ごくごくシンプルな話が、イヤホン越しとはいえ耳元で坂井泉水に「息もできないくらい ねえ君に夢中だよ」だの「どんなに離れてても 心はそばにいるわ」だの「そういう所が たまらなく好きなの」だの「あなたを想うだけで 心は強くなれる」だの「大丈夫だよ という君の言葉が 一番大丈夫じゃない」だのなんて歌われたら、ふつうの男なら蕩けて落ちるに決まっている。

ZARDといえば。
最近、今更ながらYouTubeで「SARD UNDERGROUND」というZARDのトリビュートバンドがいることをたまたま知ったのだけれど、リスペクト感が強いし、これはこれでなかなか可愛くて良いと思った。ボーカルにどれくらいエフェクトかけているのかわからないけれど、充分上手い。そしてみんな綺麗どころだけれど、個人的に好みのビジュはベースの女子。