解放

年が明け、「やっと解放された」と心の底からホッとした。

というのも、去年は裁判員制度の名簿に名前が載ってしまっていたので、常に「赤紙が届くことなく一年過ぎてくれ」と心の何処かで思っていた。だから新年を迎え、2019年になって無事に束縛から逃れられた瞬間、そうとうな解放感に包まれた。ま、厳密にいうと、さすがに役場の御用納め以降に赤紙が届くことはないだろうから、12月の末というかクリスマス過ぎくらいからは(もう来ねえだろ)と思ってはいたのだけれど、ネット検索すると、もう来ないだろうとタカをくくっていたら十二月の半ばすぎに赤紙が届いた、なんて話もあったので、最後の最後まで気が抜けなかった。

それにしても、本当に鬱陶しい一年だった。去年ほど、一年がさっさと過ぎてくれ、と思った年はなかった。別に四六時中裁判員のことを考えていたわけではないけれど、それでもふとした瞬間に、いつ届くかわからない赤紙のことが脳裏をよぎり、ともすると(届いたらウゼーな)と意識がそちらに向いてしまって、とにかくこの「いつ届くかわからない」という状態が、嫌で嫌でたまらなかった。そして「いつやってくるかわからない借金取りに追われ怯えている人って毎日こんな気分なのかな」と思ったりした。

しかし、もう全部終わったこと。2018年は去り、新しい2019年が訪れた。もう名簿に自分の名前はない。こんなに嬉しいことはない。