不得意?

何か調べ物をする時、とりあえずインターネットには万能感がある。一昔前なら図書館へ行って調べなければならないことでも、今はネットに繋がる端末さえあれば、いつでもどこでもすぐに調べられる。

とにかく便利。

ただ、当たり前だけれどネット検索は万能でもない。確かにたいていのことについては、ひとまず広く浅く知識を得ることができる。とくに地図だとか交通機関の時刻だとか生活に密着する情報は、昔より簡単に入手可能。旅行関係なんかもネットは得意。

しかし先日、ある事柄についてちょっと知りたいことがあり、検索したのだけれど、ぜんぜん情報がヒットせず、もしかしてこれってネット検索の弱点なんじゃね? と思ったことがある。

それは、リアルタイムではない古い時刻表の検索。直近ならたいていの世界中の乗り物についてすぐに調べられる。しかしたとえば「1995年の九州方面行きの寝台特急の時刻表」とかになると、データベース的なものがオンラインにない。検索しても、自分の探し方が下手なのかもしれないけれど、鉄道マニアの人の趣味のページが多少掠るくらいで、欲しいデータが得られない。

そもそも古い時刻表って、図書館にもない。オンラインで蔵書検索してみても、どこの図書館も時刻表自体は所蔵しているけれど、せいぜい最近の二年分くらいしか置いていない。調べてみた限り、国会図書館と、なんかJTBの特殊な図書館みたいなところにはかなり揃っているみたいだけれど、所在地が江戸。

こうなると、手っ取り早く情報を得る現実的な手段としては「古本屋」に頼ることになるかと思うけれど、古書店でも欲しい年月の号があるとは限らない。実際に何軒か回ってみたのだけれど、目的の時期の号はなかったし、数年ズレた別の年月の号ならあったものの、でも値段を見ると意外に高く、かなりボロだったうえに透明なフィルムでラッピングされていて中身が見えなかったので、買わなかった。ただ、もしも古本屋にあったとしても、見たいのは該当ページだけで丸ごと一冊はいらないし、安ければ買ってもいいけれど、高いと手を出しづらい。なので、ネット上にデータがないなら、無料で閲覧できて必要に応じコピーもできる図書館がベストなのだけれど、肝心の時刻表がない。

それにしても、古い時刻表の情報って、実用性はなくとも、調査対象としては何気にけっこうニーズがありそうに思うのだけれど、現状、ネット上には見当たらない。グーグルあたりが、戦前から現在までごっそりとデータベース化してくれればいいのに。

ま、データベース化しても儲かりそうにないから誰もやらないのかもしれないけれど、とりあえず昔の時刻表に関しては、ネット検索の不得意な分野のひとつなんだろうな、と思った。