hanami

f:id:s_eal:20210331152725p:plain

このまえの土曜、朝から良い天気だったので、「いくらなんでも花見くらい行くわ」と花見に行ってきた。

といっても、このご時世なのでもちろん遠出をしたわけではなく、「シートを敷いてどんちゃん騒ぎ」なんてこともなく、ささやかに、ふたりで近場の桜の名所系の大きな公園をぶらぶらしてきただけ。ふだんできる範囲で自粛しているのに、こんなことすら「ダメ」と批判されるなら、もう人間としての生活は放棄するしかない。

それはともかく。

で、そろそろガッツリ咲いてるかな? と思いながら行ってみると、まさに満開。そして確かにそれなりに人出はあったけれど、例年のピーク時に比べたらぜんぜん少なかったし、何より第一印象として、とにかく空間全体がとても静かだった。尤も桜の樹が密集しているエリアは悉く立ち入り禁止のロープが張られて入れないようになっていたので、宴会なんかできない雰囲気だったけれど、それでも、大声で喋っている人も特にはいなくて、みなさんちゃんとマスクをしていて、行儀も良かった。

園内は、なんとなく間隔を保ちながら歩いている人ばかりで、たまに写真を撮るために立ち止まったり、数人のグループで話したりしている人たちはいたけれど、「密」の状況は、少なくとも土曜の午前中の段階ではほとんど無縁だった。尤も、さっさと帰ってきたので昼からはどうだったか知らないけれども。

というか、いつかこのコロナ禍が終わっても、花見のスタイルはこれでいい気がする。桜の樹の下に集って呑んで騒ぐ従来の宴会系の花見は、いっそこのまま時代遅れになって廃れても、基本的に下戸でべつに宴会が好きなわけでもない自分としては、ぜんぜん困らない。ただ、夜のライトアップは再開してほしい。夜桜見物はやはり魅力的。

それにしても、個人的に春の花は「桜」よりも「梅」派なのだけれど、そうはいってもやはり桜はいい。「ザ・ニッポン」という感じがする。なんだかこの時期は国土全体が仄白さや淡いピンクにぼんやりと覆われるようで、平和な雰囲気に包まれる。

実際、大きな公園みたいな桜の名所ではなくても、街のあちこちにある小さな児童公園とか神社仏閣とかにも立派な桜の木があったりして、わざわざ「花見!」と意気込まなくても、そのへんを散歩するだけでもけっこう良い景色が堪能できる。

しかし桜が散り始めたら、もういきなり暑い。朝晩はともかく、日中なんか暖かいを通り越してふつうに暑い。なんか春をすっ飛ばして初夏が来た感じ。ぶっちゃけ家の中の方が寒い。