駐禁

駐車禁止の違反って、何気になかなかいろいろ変わっている。

本人不在状態でどこかに車だけを置いていて緑のおじさん(因みにこの「緑のおじさん」という呼び方は警察官の人もしていた)なんかに駐禁の切符を切られた時は馬鹿正直に警察に出頭する必要はないらしい。出頭して反則金を払うとついでに点数を引かれるけれど、お手紙はどうせ違反車両の名義人のところへ届くので、しらっと反則金だけ振り込めば、点数は引かれず、免許証の色にも影響しない。自分はこれまで駐禁で捕まったことはないのだけれど、人と話していてその裏技を聞いた。でもこれは別に法の抜け穴をついているのではなく、たとえば法人車なんかは名義は法人でも運転手は従業員ということが普通なので、路上に置いてある車の切符切りはあくまでも「駐車違反車両」に対しての取締りであり、その場に人がいなければ「運転人」までは特定できないという論理らしい。だからこれが個人にも当てはまり、おうちに届いたお手紙に従ってしらっとカネだけ払っておけばそれで終わりらしい。法人ではなく個人の車でも他人に貸したというパターンがあり得るし、家族でも誰が乗っていたか特定不能。だからたとえば、どこかで奥さんが駐禁を切られて、クルマの名義がダンナだと当然自宅のダンナ宛にお手紙が届くけれど、メイルボックスなんてたいてい奥さんが管理して開けているだろうから、郵便物に混じって届く中から反則金に関するお手紙だけをさっさと回収し、ダンナに知られないうちに反則金だけ払い込めば、ダンナには知られず、自分の点数も減らない。もちろんダンナの点数も引かれないし、そもそもその駐禁で切符を切られたという事実自体をダンナに知られることもない(実話w)。

ただ逆に、ちょっとおかしなこともある。たとえば駐車場の出入り口を塞ぐように止められた迷惑駐車がいたとして、警察を呼ぶと、制服警官が来て、拡声器で呼び出し、それでも出てこないとナンバーから所有者を割り出して警察から所有者の家へ連絡までいく。しかしそのうちに違反者がノコノコ出てきて「すみません」とか言いながら速やかに移動すると、移動したということで駐車違反の切符は切らないらしい。但しこれが、別に退いてもらわなくてもいいし、その車が塞いでいて自分の車が入れられないことはないけれど、入れにくくて邪魔だし、この道路は駐禁だから、シール貼るだけでいいから取り締まりに来てくれ、と警察に電話すると、ちゃんとすぐに来てやってくれる(自分談)。因みにこういう電話は、いくらなんでも110番ではなく、所轄の警察署の代表番号にかける。なので、自分の携帯には所轄の署の番号が登録してある。また、困った駐禁野郎がいて、たまたまチャリに乗った巡回中のお巡りさんが近くに来た場合は、「ねえねえちょっと」と呼び止めて切符を切るように頼むことができる。しかし緑のおじさんの場合は、通りかかったのを捕まえて「取り締まって」と言っても「管轄区域じゃないからできない」と逃げやがる時があるらしい(知人談)。

あと、たとえば月極駐車場とか私有地に無断駐車された場合、警察を呼べば来るし、パトカーのスピーカーや拡声器で呼び出したりナンバーを問い合わせて連絡を取ろうとしてくれたりはするけれど、私有地ということで切符は切らないし、当然罰金も発生せず、レッカー車を呼んで無理やり退かすということもしてくれないらしい。知ってる人がやられた時は、警察を呼んで問い合わせたら偽造ナンバーの車だったらしいのだけれど(登録してある車種とナンバーが合っていない状態)、公道なら取り締まるけれど私有地にあると手が出せないということで、当人も警察も困ったらしい。結局その時は自分の車が止められないので当人は警察署の駐車場に一晩置かせてもらったらしいけれど、翌日にはもうその偽造ナンバーの車はいなくなっていて終わり(警察もいつ来るかわからん相手を張り込むまではしない)。

そういえばスパ銭の自走式立体駐車場の一角にずうっと車が放置されているのを見たことがある。貼り紙がしてあったけれど、何ヶ月と放置されたままで車には埃が積もっていた。たぶんこれも私有地なので警察が手を出せないパターン。それでもいつの間にか無くなっていたけれど。

まあ、お巡りさんも大変だけれど、駐禁の取締りはほんとうにいろいろややこしい。迷惑な駐禁こそ民事不介入とか言っていないで、むしろそういう時こそ公権力を思う存分に振り翳してどんどん介入してレッカーで容赦なく持っていって欲しいところ。