意外になんとかなるもんだ

先日「買い物に付いてきて」と言うのでジョーカノとヤツの車でホムセンへ行った。で、けっこうな大物を買っていたので思わず「これ、クルマに載るか?」と問うと、「大丈夫でしょ」とたいして気にする風もなくサラッとこたえ、「何かいるものあったらついでに買ってあげるよ」と言うので、ちょうど詰め替え用のファブリーズが無かったのでそれを買ってもらい、まとめてヤツが支払いを済ませ、大物を台車に載せたまま駐車場へ向かった。そしてクルマまで来て、後ろのゲートを開け、シートを倒して荷台を広げ、それを積み込んだ。

しかし。
どうやっても載らなかった。リアゲートを開けたまま後ろにはみ出させるなら可能だったけど、そんな状態で走れるはずがない。ヤツのクルマは小型のハッチバックなので積める容量なんてたかがしれている。なので「やっぱ無理じゃねーか」と言うと「うん、無理そうね」とサラッと言い、すかさずこっちに命じた。

「タダで貸してくれるはずだから、軽トラ借りてきて」

確かにたいていのホムセンは運搬用に軽トラを貸してくれる。その店もそういうサービスをやっていて、駐車場の隅に軽トラが置いてあった。

仕方ないのでまた店内に戻り、軽トラの鍵を借りてきた。で、運転席のドアを開けて(マジか)と思った。というのも、その軽トラはマニュアル車だった。

もちろん、免許に問題はない。自分が取得した頃はオートマ専用の免許なんてなかった。ただ、マニュアル車なんてほとんど運転したことがない。めちゃくちゃ昔、現場へ行かされていた頃に乗らされたバンがミッション車だったけど、それ以来乗ったことがない。なので(運転できるかいな?)と思った。

とはいえ、今更どうしようもないので、荷台に買った商品を積み、車内に乗り込んだ。ジョーカノは当たり前のように助手席に坐り、「狭っ(笑)」と笑った後、シフトを見て「マニュアルなんだね」と言い、「運転できる?」と訊いてきた。
「知らんわ(笑)」
そう答え、シートベルトを付けてから、取り敢えずシフトレバーを握って動かしながらギアの位置を確認し、何十年か振りにクラッチを踏んでみたりしてから、エンジンを始動させた。

そして、いざ出発。

すると、自分でも驚くほどスムーズに運転できて、ちょっと驚いた。やっぱ体が覚えているんだな、と思った。ま、ハイパワーなスポーツカーなんかではなく、所詮は軽トラだからチンタラ走るだけなのだけれど、そこそこ的確にシフトアップ、シフトダウンできたし、ガクンガクンすることもなく、坂の途中の信号待ちとかでも別にエンストもしなかった。そして走り出して数分後には(意外になんとかなるもんだな)と思いながら、けっこう楽しみながら操っていた。いちいちクラッチを踏んで左手でガチャガチャとシフトレバーを動かす感覚は、自分のクルマのパドルシフトとは全く違った。

というわけで、店とジョーカノの家を往復して軽トラを返したのだれど、その店からの帰り道、ハッチバックの助手席に坐りながら「今度、もしこれを買い換える時は軽トラにしろよ、なかなか面白いぞ、荷物も詰めるし」と言うと、「嫌よ」と一刀両断されてその会話は終わった。

正直、軽トラ一台で全部こなすというのはちょっと考えてしまうけれど、二台目だったらけっこうアリかもな、と思った。マニュアルでちょこちょこ走るのも、実際にやってみると、あんがい楽しかった。

あと、余計なことだけれど、その帰り道、ちょっと遅めの昼メシとしてマクドのドライブスルーに寄ったら、激混みでちとビビった。まあ日曜の昼過ぎだったからもともと混み合う時間帯だろうけれど、敷地内のレーンからはみ出たドライブスルーの順番待ち車両が5台以上道路に並んでいて、駐車場も満車で、ナンジャコリャという状態だった。そのマクドはごく普通のロードサイドによくあるタイプの店で、たぶんみんな外食を避けるためにテイクアウトに集まってしまっていたのだろうけれど、こんなに混んでいる状態は初めて見た。ま、仕方ないので車列のいちばん後ろについて順番待ちして買って帰ったけど、マクドナルドおそるべし、というか、外食の王者であるマクドナルドの底力を見せつけられた気がした。

そして、けっこう久しぶりに食べたビッグマックと、半分ずつに分けて食べたグラコロは、ふつうに美味かった。というか、やっぱビッグマックって美味いと思う。

それにしても、ここにきて新コロがどんどん身近に迫ってきてる感がある。最近、よく行くモールでもついに感染者が続けざまに出た。たぶんもうそこら中にキャリアはいて、ウロウロしてるんだろうな、と思う。