巻き戻し過ぎ

最近、適当にテレビをつけていたら、CMでほぼ30年くらい前の曲がいくつも流れてきて、ふつうに唖然となった。いくらなんでも30年も巻き戻すなんて、巻き戻し過ぎだし、ちょっと安易過ぎんか? と。覚えているだけでも、米米の「君がいるだけで」、KUWATA BAND の「MERRY X'MAS IN SUMMER」、ブルーハーツの「情熱の薔薇」、渡辺美里の「My Revolution」、このへんを最近立て続けに聴いた。自分が地上波のテレビを適当につけている時間帯なんてゴールデンタイムだから、聴いたのはその時間帯に流れているCM。画面をちゃんと見ていないのでそれぞれが何のCMかはわからないし、誰がどういう意図で作ったのか知らないけれど、もはやクリエイティビティの放棄。

もしもタイムマシンがあるとして、90年代に戻って「おい、2020年代のCMで今のヒット曲が使われとるぞ」と言っても誰も信じず、当時の人らは「アホか」の一言で切り捨てると思う。

ただ、個人的には今でもごくふつうにそれくらいの年代の音楽は聴いているので、楽曲自体に違和感はない。しかもそれらの曲は、決して懐かしいと思って聴いているわけではなく、たとえばミスチルのベスト的プレイリストの中には「イノセントワールド」とか「抱きしめたい」とかふつうに入っていて聴いている。考えてみればそのへんだってもうそろそろ30年前。他にもWANDSとかaccesとかの90年代のヒット曲なんかも未だ自分の中では現役。

ま、考えてみれば、BOØWYレベッカなんて80年代だし、それでも、今でも全く色褪せずに聴けるからすごいものだと思う。さすがに中森明菜の「スローモーション」とか「少女A」とかを聴けば、懐かしいな、という気分になるけれど、最近CMで聴いた米米とかKUWATA BANDとかは、べつに聴いたからといって懐かしさを感じて感傷的な気持ちにはならない。寧ろ、今聴いても格好ええな、と感心してしまう。米米の「浪漫飛行」なんて今でも聴けばダイレクトに沖縄と接続する。