気になって仕方ない

大きなお世話といえば完全無欠の大きなお世話なのだけれど、他人を見て、その状態に気がついてしまうと、どうにも気になって仕方なくなってしまうことがある。

それは。

 

不織布マスクの表と裏が反対。

メガネが正面から見て傾いている。

リュックやショルダーバッグのストラップが捻れている。

 

取り敢えずこの3点。

もちろん、気になったからと言っても口も手も出せないので、視界から外して気にしないようにするのだけれど、本人は気にならないのだろうか、と不思議に思ってしまう。

ただ、このことを人に言うと「おまへはモンクさんか?笑」という反応がほとんどなので、最近では滅多に口にはしない。

この中で、最も気になるのが、眼鏡の傾き。次がストラップの捩じれ。最後にマスク。

というのも、マスクはじっと見なければわかりにくいけれど、眼鏡は見た瞬間にわかってしまう。ストラップの捻れは、たいてい背後から見るので、その背中が視界から消えればもう終わり。よってメガネが最も気になる。

とにかく、メガネの傾きが気になる場合って、向かい合って喋ったりするときだから、なかなか視線を外せないし、視界に入っている時間が長い。だから余計に気になる。

というか、そんな風に傾いた状態で掛けていて本人はキモチ悪さを感じないのかな? と思ってしまう。これは自分がメガネをかけていて、普段からかなり気にしているので、ちょっと自意識過剰気味なのかもしれないけれども、自分のメガネも自分の視界の中で枠がちゃんと平行になっていないと、もうキモチ悪くて仕方ない。そして傾いているな、感じると、ドライヤーを使ってテンプルを温めて柔らかくして調整する。ま、こうやって自分で弄れるのは、眼鏡の素材が細めのセルで、鼻当てがフレームと一体型の場合に限られるだろうけれど。鼻あての部分の調整を自分でやるのはなかなかリスクが高いけれど、セルのテンプルを曲げて掛け心地を探るくらいは、慣れればまあまあやれる。それでも失敗すると簡単に折れたり割れたりしてしまうので、高いフレームはちゃんと眼鏡屋さんでやってもらったほうがいいと思うし、エフェクターみたいなゴツい奴はそもそもいくらドライヤーで温めても固すぎて素人では歯が立たない。

自分の場合とくに、もちろんすべて数ミリの世界なのだけれど、右と左で耳の高さが違って、さらに耳が奥の方についていて、しかも距離に差があるので、眼鏡のテンプルは長めでなければならず、ちゃんと調整しないと上手く掛からない。眼鏡の幅は、狭いとそのぶんヒンジから耳までの距離が遠くなってテンプルの長さが余計に必要になるので、まあまあ広めの方がいい。ただそうは言ってもやたら大きいとアラレちゃんかのび太くんになってしまうので、バランスが難しい。理想的なサイズ感を言うなら、幅は普通でテンプルだけ長いものがいいのだけれど、なかなかそんなに都合の良いものはない。掛け心地だけで判断するなら、やはり999.9のフレームはしっくりくる。逆Rのヒンジとか丸みを持たせたテンプルとか、日本人の頭の形に合っていると思う。しかし高さに関して細めが多いので、遠近両用のレンズにしようとすると、かなりギリになる。というか、こんな顔の形なので、調整した眼鏡を机に置くとかなり左右非対称で歪な形をしていて、はっきり言ってしまえば格好悪い。でも、掛けると、それでしっくりくる。

ただ自分のことはともかく、人のマスクや眼鏡やストラップなんて、どれも所詮は他人のことなので、自分とは関係ないし、どうでもいいといえばどうでもいいことで、放っておけばいいし、実際放っておいている。というかそもそもこんなことは他人が頼まれてもいないのにわざわざ口を出すことでもない。