ヤバイナ

新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、ばあちゃんが入院している病院が面会禁止になってしまった。期間は未定なのだけれど、同じような感じで身内が入院している境遇の周りの人に聞くと、たいていの病院や介護施設みたいなところが軒並みそうなっているっぽい。なかなかヤバい状況。

しかし面会できなくても、洗濯物は毎日出るし、着替えや消耗品やおやつのお菓子の補充も必要で、当人に会えなくても病院へはこれまでと変わらず毎日誰か行かなくてはならない。

もちろんこういう状況だから面会禁止という措置は仕方ないというか文句があるわけではない。文句なんかあるはずがない。でも、ばあちゃんはまだまだ口は達者だけれどカラダは年相応に弱ってきているし、ただでさえかなりボケてきているから、家族との面会によるアタマへの刺激を与えられなくなることがそうとう拙い。完全にボケてしまって、次に行った時に「あんた、誰?」状態になっていたら、シャレにならんし、かといって、そうなってしまっていてもその苛立ちをどこへ向けたらいいかわからない。まあ、なるようにしかならんし、結果なんぞ神のみぞ知ることなので気を揉んでも仕方ないし、誰のせいでもないので、苛立つこと自体が無意味なのだけれど。仲のいいヘルパーさんや看護婦さんには「なるべくこれ以上ボケんようにおちょくってやってね」と冗談っぽくお願いしておいたけれど、入院患者の家族によるサポートが一切なくなるわけだから、病棟勤務の人たちも大変になりそう。

まったく、自分が感染したわけではないのに、想像以上にコロナの影響が日常生活に及んできた。どこぞの無能が「先手先手でよくやっている」と胸を張っていたけれど、先手を打ってこれか? としか思わない。

髪が切れないとか旅行へ行けないとか、そんなことはどうでもいいけれど、せめて老い先短いジジババ共くらいは安穏に、なるべく不自由なく暮らせるように早く平穏な日々に戻ってほしいところ。

あと、身勝手な話だけれど、こういうふうに外部の要因によって日常を掻き乱されると、愚痴的なことを言っても仕方ないけど、サポートするサイドのうちらには、ルーチンワークの流れに乗っているから多少面倒くさいこともこなせているという面があるので、外側から流れを強引に変化させられると、気持が切れて精神的に疲れてしまう。たぶん、健康ではない身内がいる人たちは、今頃けっこう似たような感覚に陥っているでは、と思う。

とにかくこの騒動、とっとと収束してもらいたい。正直、オリンピックなんて本当にどうでもいい。なんでこの期に及んでも相変わらず国の最優先事項に未だ設定しているのか意味がわからない。たとえ自分が罹患しないとしても、早めになんとかしないと、どんどん世界が疲弊してしまう。というかここまでくると、いつ自分が感染してもおかしくはない。