好きにすればいいじゃん

と思うのが、女子の美容整形。本人が殊更喧嘩腰になって「整形して何が悪い」と開き直る必要なんてないし、「整形なんてするな」と他人が横から上から否定するのもおかしい。きほん「好きにすればいいじゃん」としか思わない。

ただ、ひとまず資金的な問題は誰かが全額負担してくれるとして「どんな施術を受けてもいいぞ」と誰かに言われても、自分はしない。それは単に、整形したいと思う箇所がない、という理由ではなく、病気でもないのにクリニックへ行きたくないから。また、ヘタにどこかを弄って、いつか後から崩れてくるかも、と怯えるのも面倒くさい。というか、自分はもともと目が二重なので、最も整形ゲートウェイになりそうな目を弄る必要がない。ま、目でも瞼ではなく、目頭を切開して目を大きくするとか、それだったら多少格好良くなるかもしれないので心は揺らぐけれど、自分はチキンなので、顔面にメスを入れるのが単純に怖い。

もちろん自分の顔面にコンプレックスがないわけではない。ないどころか、ぜんぜん色男ではないので、顔ごとジョニデと取り替えたいくらいコンプレックスはある。ただ、個人的な感覚として、顔の整形って、パーツをちょっと弄るだけでは満足できない感じがある。顔の格好良いとか悪いとかって、パーツごとの問題というより──もちろん鼻筋をシュッとさせるとか目を大きくするとかパーツでなんとかなる場合もあるだろうけれど──基本的にはバランスというか輪郭とパーツの配置がキモのような気がするので、やるなら徹底的にやらないと自分だったら満足できない。それでも、自分はぽっちゃり系丸顔の童顔なので、ボトックスとかを打って顎周りをシュッとさせるくらいだったら、やってもいいかな、とは思う。しかし、いったん手を出すと性格的に止められそうにないどころか、次々に手を出してドツボにハマり込んでいく予感しかしないので、やはり誰かが「カネなら出してやる」と言っても、たぶんやらない。だいたい、おっさんが今更整形しても仕方ない。自撮りをアプリで弄って「おまえ誰や?w」と遊ぶくらいで充分。

それでも、女の子が目を二重にするくらいでコンプレックスから解放されるならやればいいと思うし(そんなことに10万とか使うのはカネがもったいないとは思うけれど)、大きくて目立って嫌いなホクロの除去とかだったら、むしろやったほうがいい、とさえ思う。実際、沢口靖子さんなんて、もともと超美形だったけれど、鼻のところのホクロを取ったことで完璧になった。

また、美容整形からは外れるかもしれないけれど、顔に火傷の跡があるとかの場合も、手術して綺麗になるならやったほうがいい気はするし、自分がもしそうだったら積極的にやりたいと考えると思う。また、これは公言すると怒られるかもしれないけれど、乳がんで乳を取っちゃった人がおっぱいをもう一度作るのもアリだと思う。ただ自分的には、うちはばあちゃんががんで片方の乳を取っていて、おっぱいのない状態を見慣れているので、その見た目には偏見がないし、そういう胸を見たことがない人に比べたら、違和感もない。なので、もうそんなに若くない人──つまり自分らより上くらい──の人なら、無理に作らんでもとは思う。実際、仲の良い子たちには「もし乳がんになって乳を取る取らないで命とおっぱいを秤にかけるようなことで悩んだら縁切るぞ」と言っている。しかしこれが二十代とか三十代とかの女子相手なら、ちょっと言えない。がんの場合、個人的には、切れるガンなら四の五の言ってないでさっさと切れ、と思うけれど、血縁関係もなく彼女でもない若い女の子相手に気安く「おっぱいなんかさっさと取れ」はさすがの自分でも言えない。

ただ、たとえば整形とまではいかないまでも、眉の刺青なんかは、うちの母ちゃんでもやってるくらいなので全然アリだろうし、ちょっとのことでコンプレックスから解放されるなら美容整形くらいほどほどに好きにやればいい、と思う。とはいえ、せっかくもともとは地球最高ランクの美人だったニコール・キッドマンの今の容赦ない現実とか目の当たりにしてしまうと、余計なことをせんでも……もったいない、とは思う。