意外に飢えない

最近ちょっと太り気味な感じがしたので、二週間ほど前からダイエットをしている。なんかこのところ、年に一回はやってんじゃねーか? という感じなのだけれど、たぶん実際にいつも夏前くらいにやっている気がする。少なくとも去年は確実にやった記憶がある。礼服の腹がギリすぎて危機感を覚え、急速に絞った。しかし今年は特にそういう切羽詰まった外的な理由はない。ただ単に、この腹ヤベーな、と思っただけ。

方法はいつもと同じ糖質制限。しかもかなり追い込むやつ。だから、間違いなく健康には悪いし、体にもよくない。でも、とにかく手っ取り早いし、何回もやっていると、どれくらいの期間でどれくらいの効果が出るか、おおよその見当もつく。しかも、ちゃんとやれば、ちゃんと結果が出る。というか、糖質制限は誰でもやれば簡単に間違いなく痩せる。これくらい答えの出やすいダイエット法はないと思う。ただ、よく言われているように、気をつけていないとすぐにあっけなくリバウンドするし、何度も言うように、自分のように極端なやつは体には絶対良くないので、健康に自信のない人はやめたほうがいい。あと、肉体労働の人もやめたほうがいい。体力がもたないと思う。

自分の場合、特にゴールは決めずに始める。そして数値的な記録は一切取らない。要は、体重計には乗らず、全身を鏡に映したり、ちょっと小さめのズボンが履けるようになったり、体感として「まあ、こんなもんか」というところまでやって終了。なので、期間も厳密には決めない。自分が「もうええわ」と思った時点で終了。それでも、やめたからといって急に食事を元に戻したりはしない。我慢していたものを一気に食い出したらすぐに戻る。たとえば毎晩、ピザ、ラーメン、スパゲッテイ、ハンバーガー、コロッケ、カレーライス、エビフライ、焼きそば……なんて食っていたら速攻でリバるに決まっている。おそらく自分の場合、年間のルーティーンとして約一ヶ月から二ヶ月弱でガツンと落とし、その後、一進一退を繰り返しつつじわじわと太り、一年くらい経つとまた「太ったな」と感じるくらいまで肥えている感じで、このままじゃまずいと思いながらダイエットをする、そんな感じ。ふだんはろくに運動もしないし、体質的に太りやすいのだと思う。ぶっちゃけ、すぐ太る。

糖質を制限するダイエットの方法はいたって簡単。とにかく炭水化物を食わない、これ一点。主食系の米、パン、麺、芋は厳密に却下。おやつも原則禁止。どうしても小腹が空いた時はアーモンドを齧る。ただ、そうはいっても糖質を完全にゼロにはできないし、あまりに神経質になりすぎても仕方ないし、適当になるべくできる限り極限まで減らすように努力する。要は、主食がサラダになり、やってる期間中は基本的に毎日毎食同じようなもんばかりを食べ続ける、という感覚的には虫みたいな食生活。因みに自分は始める前に、食いたい炭水化物は食べておく。ピザとかラーメンとかハンバーガーとかスパゲッティとか一通り食べて満足してから「よし、やるぞ」と一気に絶つ。これから痩せようとしているのに食っちゃダメやろ、と思われるかもしれないけれど、そして実際におそらくその通りだとは思うけれど、食べたいものは食べておかないとメンタル的にもたない。べつにそのまま一生食べないわけではないけれど、食の誘惑というのは、あらゆる場面に潜んでいるので、弱みを見せたら一気に付け込まれる。現実の生活でも美味いもんは嫌でも目に入るし、テレビとかメディアなんか言うまでもない。

そもそも糖質制限には、ただでさえなかなか手強い敵がいる。それは外食。このご時世なので、夜の外食の機会は減らせるけれど、問題は昼。ランチとか店で食ったらどうやっても糖質が避けられない。コンビニ弁当とかでも同様。たとえば定食屋みたいなところへ行って、仮にご飯は断れたとしても、おかずが揚げ物やら麺類やらなので、糖質の誘惑の網から逃れることが難しい。そこで、持参の弁当の出番になる。ただ弁当といっても、普通の弁当ではない。自分の場合、茹でたブロッコリーとゆで卵をタッパーに詰めていく。そして時々はそこにサラダチキンを追加して昼飯にし、期間中はひたすらこういう昼食が毎日続く。ブロッコリーと卵はいちいち毎日茹でていたら面倒臭いので数日分まとめて茹でて冷蔵庫で保存している。はっきりいってこんな食事に食の楽しみなんて全くない。ちなみにブロッコリーやゆで卵にはオリーブオイルとマヨネーズをかけて食べる。周りのおっさん連中なんかは、こんな自分のランチを見て「おまへ糖尿病か?」と言う。ま、確かにメニュー的には糖尿病の人と同じだと思う。

夜ご飯も、基本的には昼と似たようなもん。ただ昼の野菜はブロッコリーだけだけれど、夜はキャベツやレタスやワカメやサラダほうれん草等を加えた山盛りサラダになる。それに、シーチキンやサラダチキンやサーモンの刺身や自分で蒸した鶏の胸肉などが載る。あと、味噌汁(ほとんどインスタントだけど)。更に時々、サラダとは別に肉を食う。牛、豚、ラム肉を焼く。塩の焼き鳥なんかも食べる。ステーキは、霜降りの和牛とかではなく、安いアメリカやオーストラリアの赤身。もちろんステーキソースは使わず、オリーブオイルで焼いて、マックスバリュのオリジナルのなんちゃらスパイスというやつを振りかけて焼くだけ。この方法で食べるステーキは普通に美味しくて、我慢してる感は全くない。ステーキソースは、普段から使わなくてもいいくらい。マックスバリュのスパイスは本当に万能で素晴らしい。

ダイエット期間中のこういう方法というかメニューは、基本的に毎回同じなのだけれど、今年はこれまでとちょっと違いがある。それはオリーブオイルを積極的に使っていること。これまでは、何かを焼くときの油こそ普段からずっとオリーブオイルだけれど、サラダを食べたりするときにはかけていなかった。しかし今年は、基本的に何にでもかけている。すると、ちょっとした変化が起きた。それは何かというと、サラダって、毎回食っていると、すぐに飽きて、正直、三日も続くと葉っぱを見るのも嫌になってくる。しかし、毎回そのサラダにオリーブオイルをかけることによって、毎日ひたすらサラダばかり食べていてもなぜか嫌にならなくなった。理由は不明なのだけれど、いつもは一週間もサラダばかり食べていると「また葉っぱか」とムカついてくるのだけれど、今回は全くそんなことがない。しかも、結構満足感があって、これは不思議。

あと、できるだけ歩いている。意識的に歩くときは、夜に小一時間、4、5キロを休憩なしで歩いている。ただ、これはちょっともう暑くなってきてキツいので、そのうちやめると思う。

そうして今、だいたいダイエットを始めて二週間くらいなのだけれど、なかなかいつになく順調に肉が落ちてきている気がする。体重計に乗らないくせになんでわかるんや? と思うかもしれないけれど、始める前はちょっとキツめだったTシャツなんかの着心地が楽になってくるし、なんか気のせいか、今回はいつも最後まで残る腹の無駄肉の落ちもちょっと早い気がする。もちろん、ここでやめたら元の木阿弥なので、しばらくは続ける予定。何せ、なぜか今回はそんなにキツくない。基本、毎日葉っぱばかり食べているけれど、意外に飢えない。

飲み物は、今はほとんど強炭酸水。もともと下戸でビールとかは飲まないので、いつでも炭酸水。今のいちばんのお気に入りはテレビのCMでもやっているけれど、サントリーの「THE STRONG 天然水スパークリング」。それと、コーラから出てる「ICY SPARK」。どちらも箱で買ってある。あとは、これまで通りの自分で淹れるコーヒーのブラック、主に風呂上がりのゼロコーラ、そして冷蔵庫の中には常にザバスの大きいボトル、そんな感じ。

因みに自分の場合、この手の糖質制限を始めると、まず数日で顔の輪郭が心なしかスッとしてくる。次に一週間を過ぎたあたりから胸とか肩周りとか二の腕とか上半身の上の方の肉が落ちてくる。そして最後に腹回り、腰回りの肉が肋骨の下あたりで抉られるみたいに落ちていく。そこまでだいたい一ヶ月ちょっとから二ヶ月くらい。ただ、たいてい腹の肉が落ち始める二、三週目くらいで一回止まって停滞期がある気がする。下半身は正直よくわからない。おそらく脚とか細くなっているのだろうけれど、あまりわからない。

まあ、めちゃくちゃに乱暴にこの我流の糖質制限ダイエットを括るなら、ご飯等の主食を一切やめてブロッコリーとキャベツだけ食っていれば、誰でも例外なくするする痩せていくと思う。