未解決事件

何が好物って、被害者の方には申し訳ないけれど、未解決事件の魅力に抗えない。NHK不定期でやっている番組も好物だし、イロモノというか邪道かもしれないけれど一橋文哉さん(個人ではなくチームという説も根強いけれど)の一連の著作も好物。

ま、未解決事件といってもたくさんあって、ミーハー的感覚かもしれないけれど、とくに惹かれる事件がいくつかある。中でも、次の三案件はかなり定番だけれど、大好物。

グリコ森永。
国松長官暗殺未遂。
下山事件

この中でも、今更感が強いかもしれないけれど、今は下山事件にハマっている。というか、基本的に国家権力が絡んでいるっぽい未解決事件(グリ森はちょっと違うっぽいけれど)に強く惹かれる。そういう意味で、下山事件は、たまらない。グリ森や国松長官は、国家権力絡みというより警察内部の足の引っ張り合いというかプライドのぶつかり合いが邪魔して未解決になってしまったパターンっぽいけれど(下山事件でも捜査の現場では捜一と捜二で警察内部の対立構造はあったみたいだけれど)、下山事件は関連書籍を読めば読むほど戦後の闇みたいなものの暗い影が事件をすっぽりと覆っている雰囲気があって、たまらない。登場人物の人間関係が複雑怪奇だし、絡んでいる関係機関も面倒くさそう過ぎて一筋縄ではいかない連中が多そう。でもそれ故に、よけいに興味を惹かれてしまう。ただ、何せ生まれる前の話なので(というか親すら生まれていない)、地理的なことひとつとってみても現実感が希薄。しかしそんなことを言い出したら、グリ森だって子供の頃すぎてキツネ目の男とかはなんとなく印象に残っているものの捕物劇の様子とかリアルタイムの記憶はほとんどないし、国松長官の事件は記憶にあるけれど、あの頃は世の中のニュースが震災とオウム一色で、ひとつの事件としての印象はそれほど強くない。だからこれらの事件に対する興味は、完全に後から。だいたいオウムの一連の事件は、地下鉄サリンを別格とすれば、衆人環視の元で堂々と行われた村井暗殺が衝撃的すぎる。

また、この三案件以外だと、藤田小女姫事件も、闇が深そうで、興味深い。現場となったコンドの前は何度となく通っているけれど、事件は自分が初めてハワイへ行った時より前のことなので、この占い師の人のことも事件そのものもリアルタイムでは全く知らず、後からテレビの特集みたいなもので知ったクチだけれど、犯人として捕まっている人には、死ぬ前に全部ぶっちゃけてもらいたい。この事件は何回かいろんな番組で取り上げられていると思うけれど、犯人として服役している人は現在かなり進行したガンなのだとか。それでいて、最近見た番組ではやたら何かを隠している感じで、しかも匂わせが強くて、さっさと全部うたってくれ、とモヤモヤした。この手のモヤモヤは国松長官暗殺未遂事件の真犯人っぽい人にもいえる。この人も現在、別件で服役中だけれど、かなりの高齢だし、おそらく生きてシャバに出てくることはなさそうなので、生きているうちに白黒つけてほしい。尤も本人は一貫して「自分がやった」と主張しているのだけれど、事件としては時効が成立しているので、今更警察が「捜査が間違っていました」とは絶対に認めるはずがなく、よってこの人を警察や検察が暗殺未遂の実行犯と認定することはなさそうで、もうどうしようもない。

あと、事件とは関係ない話なのだけれど、占い師の方の事件は、犯行現場の二ヶ所(1350アラモアナとディスカバリーベイ)の部屋がいまも普通に売られていて、住んでいる人がおられるみたいだからビビる。大きなお世話だけれど、事件のことを知っていて買っているのだろうか、と思ってしまう。なかでもアラモアナのペントハウスは築50年超えの建物でも余裕のミリオンで、ふつうの人が気軽に買える物件でもない。また、ディスカバリーベイの方の部屋(ユニット番号はググればすぐ出る)は、何年か前に日本語のハワイ情報系ウェブサイト(どこだったかは忘れた)で売り出し物件として事件には何も触れずふつうにピックアップされ紹介されていたことがあって、びっくりした記憶がある。しかも紹介記事だからとうぜん記事の中ではめちゃくちゃ褒めていて、(でもそこ、ガチの殺人現場やぞ)と思った覚えがある。ま、とはいえどちらもリフォームかリノベーションはされているだろうからもう別物といえば別物だろうし、ずいぶん前の事件だから、事件後も何人か住んでいるだろうし、関係ないだろ、という感じかもしれないけれど。