止まったまま故に

ひと昔前のバンドの「復活」とか「再結成」とか、「懐かしのJ-POP」とか、そういうニュースやトピックスを見たり聞いたりしても、とくに何の感慨も感動も驚きも嬉しさもない。というのも、未だにもっともよく聴いている音楽が90年代のJ-POPで、車の中なんて殆どそんなアーティストの曲しか聴かないし、自分の中ではふつうにぜんぜん終わっていないから。はっきり言って音楽に関しては、ほとんど2000年くらいで時計の針が止まっている。

なので先日、BSで『J-POP黄金のヒットパレード』という豪華な懐メロ番組をやっていて、録画しておいて後日観たのだけれど、そんなに「懐いなー」という感想は抱かなかった。ただ単に、テメエのことを棚に上げながら出演者の皆さんを見て(確実に年月は流れているな)と思っただけだった。そしてもちろんふつうに歌える曲がほとんどだった。というかあの番組はなんか第二弾がありそうな選曲だった。たとえば八神純子(相変わらず圧巻の歌唱力でビビった)は『みずいろの雨』、荻野目洋子は『ダンシングヒーロー』、森高千里は『渡良瀬橋』、Fブラはチェのオリジナル等、このあたりを出し惜しみしている感があった。

自分の場合、古いJ-POPは下手したら、ふと気づけば飽きもせずもう三十年以上も聴いている曲が当たり前のように多い。たとえばカラオケでずっと歌い続けているチェの『Song For USA』とか『NANA』とか、尾崎の『シェリー』とか『僕が僕であるために』とか、ボウイの『ONLY YOU』とか『マリオネット』とか、そのへんなんかは四捨五入したらもう四十年かもしれない。たとえばサザンでも未だに一番好きなのは『ミス・ブランニュー・デイ』だったりする。ま、そこまで古くなくても、J-POP黄金時代ともいえるビーイング系なんて、今でも当たり前のように聴いていて、バッコミとか初期のB'zもWANDST-BOLANもTMも大黒摩季も、当時の楽曲に色褪せた感じなんて微塵もない。ビーイング以外でもミスチルの『イノセントワールド』、スピッツの『ロビンソン』の頃なんて大好物だし、レベッカとかプリプリとかマイラバとか自分の中では現役のままで、別に解散してはいない。

というか、個人的に2000年以降の音楽って、正直、あまり知らないし、あまり聴かない。それでもたまに「これはすげーな」と思って好きになったアーティストはいる。たとえば斉藤和義スガシカオ、Superfly。この3組は2000年以降に知って好きになった。とくにSuperflyはヤバイくらい自分の琴線に触れた。正直、好きになったのはここ数年なのだけれど、以来かなりヘビロテで聴いている。

ただやはり、自分の音楽のベースは90年代のJ-POPだと思う。

しかし、そろそろ堂々とカラオケへ行きたい。一応開いているけれど、ちとまだ行きにくい。で、行けるようになったら、とりあえずB'zの『イチブトゼンブ』あたりを熱唱したい。

※すべて敬称略