まほろば

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そろそろ令和改元の馬鹿騒ぎもちょっと落ち着いてきた感じなので、日本の始まりの地である奈良へ行ってきた。ただ奈良は公共交通機関ではちと回りにくいので、面倒くさいけれど車で行った。神社仏閣系の旅としてはまだ京都の五社めぐりの一社が残っているけれど、京都ばかり行っても仕方ないし、令和一発目はやっぱ日本のまほろばである奈良やろ、ということで、かなり久々に行った。

今回は、奈良市内へは入らず、主に天理から橿原にかけて回った。具体的には、石上神宮大神神社橿原神宮というまほろば黄金ルート。

なかでも、メインは大神神社での三輪山登拝。大神神社自体は行ったことがあるのだけれど、登拝は未体験なので、是非登りたかった。

で、実際に登ったのだけれど、これがかなり得難い貴重な体験となった。神域内は写真撮影禁止なので画像は残せなかったのだけれど(案外こういうことはちゃんと守るタチ)、天辺の磐座群には不思議な感動を憶えた。

借りた杖をついて往復約2時間弱(上り50分くらい、下り45分くらい、途中休憩はなし、頂上で15分ほど滞在)、道中はけっこうな山道で、汗だくになり、かなり疲れたけれど、行って良かった。体力の消耗度というか疲労度の体感的には、わかりやすいかどうか微妙だろうけれど、ダイヤモンドヘッドよりはキツく、ココヘッドよりはちょっと楽かな? という感じだった。ただ、時期的には今くらいがたぶんギリ。これ以上に季節が進むと暑さがキツすぎて無理っぽそう。登り口の狭井神社で汲める御神水という水を500mlのペットボトルに入れて持って上がったけれど、ちと足りない感じで、その倍は欲しいところだった。

しかし正直、パワーだとかスピリチュアルだとかはあんまわからないタチなのだけれど、この山は不思議な山だった。というのも、ふだん全く運動らしいことなんか何もしていないうちらなので、道中は脚がバンバンになってくるは、膝はガクガクして笑い出すは散々だったのに、翌日に全く残らなかった。どこも筋肉痛にはならなかったし、膝もふつう。これには驚いた。

それにしても、想像していた以上に多くの人が登っていた。結構きつい道だと思うけれど若い女子やおばさんもたくさんいたし、裸足の人も多かった。とはいえ、道中は上手い具合にバラけて、混雑することなく、それぞれのペースで静かに登れた。なんというか、この山には悪いものが何もなく善意しか存在しない感じだった。

あと、翌日には小学校の修学旅行以来、ン十年振りに法隆寺へ行ったのだけれど(修学旅行の時のことは全く覚えていない)、1500円という超強気な拝観料と修学旅行生の多さに若干ビビったものの、さすが日本初の世界遺産五重塔、夢殿、アルカイックスマイルを湛えた釈迦三尊像、教科書に出てくる玉虫厨子……そんな怒涛の国宝群に圧倒された。

そして今回の旅行中、ようやく二冊目の御朱印帳が終わった。だいたい二年ほどかかった。というか一冊目もそれくらいで埋まっているので、御朱印を集め始めて約四年、たぶんこれくらいが自分のペースっぽい。ま、コンスタントに集めているわけではなく(半年くらい間隔が開いている時もある)、コレクターではないので、こんなもんじゃね? という感じ。

で、法隆寺御朱印を貰うときに新しい御朱印帳も入手。ただ、この法隆寺御朱印帳が、なんとも激シブ。これまで使っていた伊勢の猿田彦神社のものが色めとかデザインとかがちと女子力高め系っぽかったので、一気にオトナのオトコ系へと変貌を遂げた。

しかし、改元に絡んでメディアで報じられた限定だのお絵描きだのに狂乱する御朱印騒動は、第三者的に醒めた目で見ているとなんとも言えない気分になって、あの列にだけは絶対に並びたくないな、と思った。尤も性格的にあんな長蛇の列にはとてもではないが並べないけれども。というか、限定とか全く興味がないし。

印といえば、今回初めて神武天皇陵で御陵印というものを捺した。これはタダでしかも自由に捺せるので、御朱印帳とトラベラーズノートのスタンプ帳(画用紙リフィルをスタンプ帳にしている)に捺した。