勝手サブスク

うちから駅までの経路のちょっと外れた場所に、神社というか祠に毛が生えたような規模の無人の社があって、ときどき、まあだいたい月に二、三回、パンパンしに行く。そこは雑居ビルに囲まれた狭い地所にあるほんとうに小さな神社で、もちろん社務所はなく、普通の賽銭箱すらなく、祠の前になんかポストみたいな金属製の高さ一メートルほどの四角い筒のような箱が設置されていて(盗難防止のためか底部がボルト留めされている)、上部に硬貨の投入口があり、その下に『賽銭』と記されている。おそらく防犯カメラもないだろうから、賽銭泥棒対策で、そういう賽銭箱が設置されているのだと思う。

でも、いちおうGoogleマップには神社として載っているし、看板に祭神も明確に記されていて、そこを管轄している別の大きめの神社が例祭もしているみたいだけれど、それに行ったことはないし、そもそもそこで誰か他の人と遭遇することなど滅多にない。それでも、うちからたぶん一番近い神社だし、今年とか年によっては吉方位にハマるので(直線距離で1.5キロほどあるので恵方参りの条件にいちおうギリで合う)、たまに参拝に行く。

ただ、そんな小さすぎる神社だし、防犯のためとはいえ情緒のかけらもない賽銭箱に、いちいち賽銭を入れるのもなんか面倒なので(我ながら「面倒」という表現は不遜でどうかと思うけれど実感だから仕方ない)、毎年、年明け一発目に行った時に、勝手に一年分の賽銭として千円札を小さく畳んで入れている。で、その後、一年間は、賽銭箱をスルーしてパンパンしている。要は賽銭勝手サブスク。

なので普段は人が見たら「賽銭も入れずに参拝している人」と思われるだろうけれど、まあ人の目なんかどうでもいい。そもそも神さまや仏さまは銭を要求なんかしてこないし。ただ、このことを人に言うと「賽銭のサブスクなんてええんか? 聞いたことねーぞw」と突っ込まれる。でもこちらの考えとしては、これはあくまでもこの無人の小さな社だからそうしているだけであって、いちいち五円とか十円をその都度入れるより、先にまとめて入れておいた方が気兼ねなく手ぶらで気楽に行けるからそうしているだけ(ウォーキングの時はきほん電話と飲み物しか持って行かないし)。というか、たまに小さなアホな神社が「入金手数料で赤になるから一円玉は入れるな」とかSNSで発信してニュースになるくらいマヌケな世の中なので(気持ちはわかるけれど発信したら終わり)、管理している方もこの方がいいんじゃないか、と勝手に思って正当化している。まあ頻度で考えれば千円札ではなく500円玉でもいい気はしているのだけれど。

いやらしい話だけれど、仮に毎回十円で月3回、年間36回、多く見積もって50回行くとしても、賽銭の総額は500円程度。5円なら3日に一回行っても、1年でそのくらい。それを先払いのまとめ払いで千円入れているのだから、神さまも許してくれると思う。そもそもぜんぜんそんなに行っていないし。

もちろん、ふつうの規模の寺社ではやらない。今は夜、適当にウォーキングをしているので、その目的地設定として月に数回、うちから数キロほどの距離にあるいくつかの寺社を気分で選んで行っているけれど、その近所の社以外は、毎回チャリンチャリンと入れている。因みにそういう時は、財布は持っていかないので、ポケットに5円玉や10円玉を一枚だけ入れて行く。ちなみに初詣は超大手へ行ったので、年に一回のことだし、もう少し入れた。

というか、ウォーキングで行くのは夜なので、たいていの寺社は暗くひっそりとしていて、賽銭箱周辺には人感センサーがあって、近づくと明かりがつくし、たぶんどこかにカメラもあって、なんか居心地は悪い。正直、情緒もクソもない。でもまあ賽銭泥棒対策としては仕方ない措置だとは思う。

危機感故

いい加減に、未読状態をなんとかしないと、一生読まないのではないか? という危機感を覚えて、ちょっと前からとりあえず読み始めている積ん読本。

『レイテ戦記 上・中・下』全三巻。

奥付を見ると、三十年近く前の日付が印刷されている。これは本屋で三冊まとめて新品を買った記憶がなんとなくあるのだけれど、この奥付通りの年だったかどうかは自信がない。というか多分違うと思う。単純に、三十年前にこんな本を買うとは思えないし、ぶっちゃけそんなに売れる本でもないと思うので、刷られてから何年も残っていたものを買った可能性が高い。それでも二十年は前くらいからうちの本棚にはいらっしゃる気がする。

どうしてこれを買ったのか、記憶ははっきりしない。ただ、今でもだけれど、自分はもともと旧日本軍の南方戦線になぜか妙に興味があるので、その興味の延長で入手した気はする。もちろん買った時は、すぐ読むつもりだっただろうし、分冊モノはどんな本でも最初にまとめて買う派なので、全部続けて読むつもりで入手したはず。しかし、なんか一冊目の半分あたりに栞が挟まったままだったので、どうやらそのへんで挫折したっぽい。とはいえ、そこまでの内容も全く記憶にないので、今回、改めて最初から読み始めた。

それでも、いつ読み終えることができるのかさっぱり見当がつかないし、そもそも読破できるかどうかも自信がない。「戦記」なので「小説」とは言い切れないっぽいし、かといって「ルポタージュ」や「ノンフィクション」ともなんか違う。字は細かいし、文章も硬質で緻密だし、まだ新字新仮名であることは救いだけれど、なかなか読みにくい。今、どうにか栞が挟んであったあたりまで読み進めているのだけれど、ゴールは果てしなく遠い。たただ読みにくいといっても、たとえば谷崎の「鍵」みたいなカタカナと漢字の文章に比べたらだいぶマシ。「鍵」とか「老人日記」とか、あのへんは分量のわりになかなかスムーズに読み進められない。読んでいてイライラしてくる。カタカナと漢字の文章は最悪。

文体はともかく、内容的にもこの本だけをずっと読み続けるのは大変そうというか苦行っぽいので、ときどき中断して別の本を読みそう。なので、いつ読み終えることができるのか、全くわからない。とにかく、こいつは相当な難敵っぽい。正直、またどこかの時点で挫折しそうな気がしないでもない。

安奈〜HERO

正直なところ、世代的にはちょっとズレているのだけれど、年長の人たちとカラオケをやる時は、甲斐バンドの「安奈」と「HERO」をよく歌う。この二曲はもともと好きだし、声域がそこそこ合うので、無理なくけっこう気分良く歌うことができるし、オッサンたちとか皆さん誰でも知っているレベルの歌なのでウケも悪くない。ただ「安奈」は微妙に節回しの難しい部分があって、久しぶりの時は前もって家で、Spotifyで聴いて歌詞を見ながらちょっと練習する。さすがに大きい声では歌えないので、口ずさむ感じだけれども。逆に「HERO」はいつでも問題なくイケる。声を張り上げて歌うと自分に酔える。

この世代だと、松山千春も好きで、だいぶ知っているけれど、歌うとなるとボーカルレンジが合わず、甲斐バンドのようにはぜんぜん歌えない。一段と高音域が高くて、「旅立ち」とか「恋」とか「長い夜」とか、さらりと歌っている本人の歌唱を聴いていると(歌えそう)と勘違いしてしまうけれど、実際には無理。そうとう調子のいい時に喉が開いてくれば、たまに「大空と大地の中で」がギリでいける時がある。でも、たいていは無理。まああれが歌えるくらい調子の良い時なら「勝手にシンドバッド」や「イチブトゼンブ」がイケる。尤もどんなに調子が良くても「ギリギリchop」なんかは絶叫して誤魔化すだけだし、そもそもB'zは声の高さ云々以前に早口言葉のような歌詞に口がついていけないものが多い。「F・E・A・R」なんて高音マシンガンすぎて舌足らずには拷問レベルだし、「ギリギリ」でも「シマリがないとまたみんなにコソコソ笑われるぞオマエ」なんて、いつも後半で日本語が崩壊する。

ただ、カラオケはキーが変えられるので原曲のキーにこだわらなければ誰でもそれなりに歌えてしまうし、一発目と何曲か歌ってからでは、歌いやすさも変わる。だいたい、歌わない期間が長いと、久しぶりにカラオケに行った時なんか、喉が固くなってるのか、最初のうち、自分でもびっくりするくらいヘタクソで歌えない。ふだんうちで声を張り上げて歌うことなんてないし、車の中でも口ずさむくらいはしても「歌う」まではしないから、間が開くと、歌った時に(え?ぜんぜん声が出ねえ)となる。でも、たとえば喉がこなれてくると「裸足の女神」なんかも歌えてしまう。サビの「OH My〜」は乗れていればそのまま行けるけれど、調子の良し悪しはその後の「DON'T YOU CRY MY 〜」のパートで変わり、調子のいい時はそこをスムーズに繋いで畳みかかけるように広げて歌える。ダメな時はそこで墜落する。ただ、いずれにせよ立って歌わないとキツい。関係ないけれど、「裸足の女神」の「DON'T YOU CRY MY 裸足の女神よ」の部分と「勝手にシンドバッド」の「心なしか 今夜 波の音がしたわ」の部分って、いつもそっくりに感じる。しかし「勝手にシンドバッド」ってほんとうにすごい曲だと思う。「今何時 そうねだいたいね」とか「胸騒ぎの腰つき」とかのところだけでも、ぶっちゃけ日本人で知らない人おるんかいな、という感じ。

まあそれはともかく。

松山千春の高音域は国内シンガーでも最高ランクだろうし、というか、やはりこのへんの松山千春さだまさし谷村新司(亡くなってしまったけれど)クラスは、他の歌手とは歌の上手さのレベルが段違い。よくオッサンたちがカラオケで「昴」を歌っていたりするけれど、谷村新司本人の歌唱を聴くと当たり前だけれどもモノの違いを感じさせられる。というか谷村新司ってたぶんボーカルレンジがめっちゃくちゃ広い。だから、他人の歌のカバーなんて、男物でも女物でもどんなものでも余裕でこなしてしまう。ただまあ歌の上手さって数値化して順位付けできるものではないから難しい。この三人以外にも村下孝蔵とか来生たかおとかフミヤとか松崎しげるとかサブちゃんとか挙げだしたらキリがないし、順位なんてつけられない。そもそも歌唄いとして世に出ている人たちは基本的に上手い。

それにしても自分的には、この「ちょっと上の世代」の歌って、かなり好きだったりする。元はといえばアルフィー(とくに坂崎幸之助)の影響だと思うけれど。「『いちご白書』をもう一度」とか大好物で、普段からよく聴くし、よく歌う。フォークは世代的に完全にズレているけれど、昔の長渕も好きだし、「22才の別れ」とか好きだし、GSなんかちょっとどころではなく上だけれど好きで「色つきの女でいてくれよ」とか「想い出の渚」とか良いし、こういうことを人に言いながら気分良く「時代おくれ」なんか歌うと、しばしばオッサンたちに「おまへ、ほんとうは幾つや?w」と呆れられるけれど、好きなのだから仕方ない。だいたい浜省もリアルタイムとは言い難い。でも好き。自分で歌うとしても、尾崎と同じ感じでボーカルレンジ的に無理しなくていいし。素人感覚だけれど、浜省と尾崎ってレンジ的にはほぼ同じに感じる。

とか散々言いつつ「で、オハコは何なんや?」と問われたら、やっぱチェの「ジュリア」なのだけれど。

ちなみに世代感でくくると、アイドルだとキャンディーズはズレる。ピンクレディの方がまだ馴染みがある。でもガッツリ好きになったアイドルは中森明菜が初めてで、松田聖子は違う。そもそも松田聖子は、もちろん「青い珊瑚礁」とか「風立ちぬ」とか「赤いスイートピー」とかヒット曲は知っているし、「ああ私の恋は〜南の風に乗って走るわ」とか「風立ちぬ〜今は秋」とか「春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ〜」とか口ずさめるけれど、全く思い入れがない。ただなぜか「赤いスイートピー」は歌詞を見なくても1番は全部歌えてしまう。その点、中森明菜は、ちょっと前にNHKでやっていて、YouTubeにもあるけれど、全盛期のコンサートの曲は全部どストライク。「ミ・アモーレ」は日本芸能界の至宝。なんか前にも同じようなことを書いた気がするけれど。

というか、つらつらと適当に書いているうちに「安奈」も「HERO」も関係なくなってしまった。
(敬称略)

さるべーじ

ノートアプリは、2008年からEvernote を使っているみたいだけれど(古いファイルの日付に2008年7月のものがあった)、台数制限された頃から徐々に離れ、ここ数年は、アカウントとデータはそのままに、Notionに移行していた。それでとくに問題はなかったのだけれど、最近、Evernoteは無料ユーザーがバッサリと切り捨てられ、ただの保管庫としても使い物にならなくなったので(アプリを立ち上げる度に有料ユーザーになれというポップアップがウザいし、ノートブック間でノートを移動させることさえできなくなった)、とりあえずどこかにデータを移そう、と考えた(というかSNSを検索するとそういう人がたくさんいた)。

いちばん最初の選択肢は、いま使っているNotionのデータベースにインポートすること。これはNotion 公式が移行ツールを出しているので、最も簡単っぽかった。しかしなんとなく、既存のNotion のデータベースにインポートすると、ファイルは移行できても、取り込んでからの整理がちょっと面倒くさそうな気がした。というのも、自分のNotion内の異なるデータベース間でファイルを移動させた時でさえタグやら何やらゴチャゴチャしたので、外部から取り込むことには嫌な予感しかしなかった。因みにNotion内で、仮にAというデータベースにBという別の既存のデータベースを統合したい場合、移動は簡単にできるものの、タグ等がそのまま引き継がれない(方法があるのかもしれないけれどわからない)。ただこれは、どちらのデータベースのファイルにもタグが付けてある場合、両方ともいったんマルチセレクトのタグをテキストに変え、移動させてからまた一括でテキストをタグに戻すことでクリアできる。

それはともかく、いろいろとググって調べてみたところ、Evernoteからの脱出に関しては、別の良さげな方法があったので、それでやってみることにした。どのみちEvernoteからはエクスポートするだけで、データが削除されるわけではないので、結果が気に入らなかったら、また別の手段を試してみればいいだけだし。というか、もしもNotionにインポートするなら、別のワークスペースを新しく作ってそこに隔離して入れると思う。

それはともかく、今回やってみたのは、Evernote からデータをエクスポートし、Joplinというアプリにインポートするという方法。その際、データを置くのはOneDrive。とりあえずローカルでもいいけれど、クラウドの方が便利だし、手間は変わらないので、OneDriveにした。Joplinというアプリ自体は、何年か前に試しに落としていたみたいで、手元にあった。ただ、ぜんぜん触っていなかったので、バージョンがめちゃくちゃ古く、まずアップデートした。そして、データ置き場がローカルになっていて、いくつか適当なファイルが入っていたので、いったん全部消してサラにし、OneDriveで設定し直した(ウィザードに従うだけなのですごく簡単)。

joplinapp.org

しかし、最近はほとんど使っていなかったとはいえ、Evernoteに溜め込んだ干支一回り以上のデータは4桁。なのでどうなることかと思ったけれど、いざやってみたら、呆気ないくらい簡単だった。Evernoteからのエクスポートはノートブック単位なのでちょっといちいち面倒くさかったけれど、サクサク抜き出せた。そしてJoplinへのインポートも、同じ単位でひとつずつやったけれど、あっという間。Evernoteのノートブックがフォルダに置換され、ファイル内の画像とかタグとかもそのままインポートされ、しかもちゃんと作成日時でソートできて、Webクリップしたファイルの一部が細かい部分でちょっとレイアウトが崩れたりしていたけれど許容範囲で、もちろんぜんぜん全部は確認していないけれど、タグも生きていて、概ね問題なさそうだった。ま、同期にはまあまあ時間がかかったけれど、ちゃんと進行状況が表示されるので、クルクルしたまま止まってんのか? 的な心配はなかった。放っておけば、そのうち勝手に終わる。

というわけで、土曜の午後だけでサルベージ完了。ただEvernoteのデータとアカウントは、とりあえずそのまま残してある(いざとなったらNotionへ吐き出せる)。関連するモノは、デスクトップアプリだけ残し、それ以外のiPadのアプリや、各ブラウザの拡張のクリッパーも削除。Joplinに移したデータに今後追加していく予定はないけれど、閲覧するには何の問題もない(アプリの外観も同じようなものだし)。検索も一瞬だし、見た目もスッキリしていて良い。Notionを使っていなかったら、そのまま使っていたかもしれない。

今のところ、WebクリップとかするノートアプリのメインはNotion(「Save to Notion」というwebクリッパーが便利すぎて手放せない)。あと、適当な思いつきとか日記的なこととかテキストベースのメモ類を記しているのは、iCloudにデータを置いているObsidian。

obsidian.md

自分の使い方ならこのふたつのアプリでたいていはなんとかなる。因みに、Evernoteの中身をObsidianに移行させる気はなかった。Obsidianの中にはデイリーノートしかないし、iCloudではAndroidからアクセスできない。

ただ、ここの下書きとかをしているのは、NotionでもObsidian でもなく、Standard Notesというアプリ。

standardnotes.com

このアプリは各OSにアプリがあるし、同期もスムーズだし、ブラウザでも書けるし、テキストオンリーなら今のところベスト。プレーンテキストなのでどこかから適当にコピーしてきてペーストしても余計な装飾は削ぎ落とされるし、使いやすい。ちゃんとしたメールを書かなければならない時なんかの下書きにも使っている。

それにしても、2008年から使っているアプリというかWebサービスって、Evernoteの他に何かあるか? というくらいちょっと思いつかない。パッと浮かぶのは、アプリだとブラウザのFirefoxSafari、サービスだとGメールとかくらいかも。Gメールって確か最初の頃は招待制で、しかし自分はなぜかすごい初期から、誰かに招待されたわけでもなくGoogleのアカウントを持っていて、メールが始まってすぐ何個か招待枠が貰えたから、当時は珍しかったこともあって、女の子たちに「Googleのメアド要らん?」とか言って配った記憶がある。いちばん最初に作ったアドレスは二軍扱いで維持しているけれど、今では絶対取れそうにない文字列。

小さなテレヴィ

最近、実家の親たちの寝ている部屋の小さなテレビが壊れたというので、母ちゃんを連れて買いに行った。「面倒くさいから通販にしろ」と言ったら、ネットで見てもよくわからんだの、実機を見て選びたいだの、でも大きいものはいらないだの、と煩く、「じゃあ勝手に行け」と言ったら「買っても重くて持って帰ってこれん」とかごちゃごちゃ言うので、家からいちばん近いヤマダへ行った。自分で買うならヨドかビックでポイントを貯めたいけれど、連れて行くのは面倒くさいし、支払いは親でポイントは自分のカードにつけるとしても、どうせたいした値段でもないからいくらもポイントはつかないし(とはいえ3万なら3千、2万でも2千付くので迷ったけれど)、まあ面倒くさいので簡単に行けるヤマダにした。ヤマダも一応はポイントカードがあるけれど、ほとんど行かないので、ぜんぜんポイントが貯まっていない。

しかし、かなり久しぶりにテレビの売り場をちゃんと見たけれど、今どきは小さいサイズってほんとうに選択肢がない。ぶっちゃけ「ただ映ればいい」というだけなので、サイズも機能も最低限でいいのに、ざっと売り場を見たところ体感的に32インチがいちばん小さい感じで、それ以下はテレビ扱いすらされていない感じ。まあそれでもめちゃくちゃ肩身が狭そうな品揃えの中に、二万いくらかくらいで19インチのシャープがあったので、それを買った(というか親が買っていた)。ただ、どう考えても割高だと思った。もうちょっと出せば型落ちの32型とか余裕で買えてしまう。しかしかといって大きいものは設置できるスペースがないらしいので、仕方なかった。

それにしても、ブルーレイレコーダーの時も思ったけれど、壊れたから買い替える家電は、ほんとうに何の感動もない。しかも今回は自分のものではないことに加えて、何の捻りもない、ただ単に地上波が映るだけの小型テレビ。BSにも繋がないし、ネットにも繋がないし、ゲーム機もレコーダーも接続しない。持って帰ってきて箱から出し、アンテナ線を繋いで、コンセントにプラグを挿して、スイッチをオンにしてチャンネルを自動でセットさせれば、それで設置完了。

自分でテレビを買う場合、今回みたいに小さいものではなく、大物の場合はどこの量販店で買うにせよカードは使わず現金。カードではなく現金で交渉したほうが大幅値下げが期待できる。なので、大物の時はとりあえず下見に行き、だいたいの価格を把握して、後日、それなりに現金を用意して買いに行く。あっち見てこっち見て、は、下見の段階では一応、値段を聞いたりその価格を記した名刺をもらったりするけれど、「買う」日は決め打ち。しかも、名刺を持っていって店員さんを呼んでもらうと、「戻ってきてくれた」みたいに、けっこう喜んでもらえたりする。店員さん曰く、名刺に価格を書いて渡すとそれを使って他店で交渉する人が多く、あまり戻っては来ないらしい。自分は、価格は比べるけれど、いろんな店を回るときに「〇〇はコレをいくらにするって言ってたよ」とか言って探りは入れるけれども、それ以上の具体的な駆け引きはしない。というかそういう駆け引きをすると、「見積りか何かありますか?」みたいに訊かれるので、そこで名刺を見せるとか、単にそこまでするのが面倒くさいだけだけれど。

因みに自分が買うとなった段階で、価格交渉する時は「ねえねえ」と名刺をくれた人や売り場にいる店員さんに、目的の機器を示して単刀直入に「現金で今日払うっていったらこの表示価格からいくら引けます?」から始まる。そして最終目標は精算時にカウンターでもう一押しダメモトで「この○○万9800円って、9800が付いていると数字として美しくないですよね? 取っ払ったほうがスッキリして美しくないですか?」みたいに言う。すると「そうですね、取っちゃいましょうか」という返事が返ってきたりする。そもそも、下見ではなく、買うつもりで店へ行って店員さんを捕まえた時点で、最終価格がいくらでもその店で買うことは決めているので、値引き交渉はただのゲーム。交渉して引いてもらえたらラッキー、 ダメならそれだけのこと。というかテレビみたいな高価なモノは、たいてい型落ちというか、新製品が出たけれど旧モデルがまだ店頭に残っている、みたいな微妙な時期を狙うので、店側としても在庫整理というか叩き売りの感覚っぽく、それと自分の思惑が一致するだけっぽい。

あと、テレビに限らず電化製品全般にいえることだけれども、いくら安くても、アマゾンのマケプレとかでは買わない。価格コムで最安値とかも狙わない。そのへん自分はチキンなので、電化製品は大手量販店でしか買わない。結果的に他でもっと安く売っていたとしても、それは仕方ないと諦める。だいたいアマゾンでも、電化製品に限らずアマゾン発送の商品しか買わない。出荷元がアマゾンでも、販売がアマゾンではない場合が時々あるけれど、そういう商品を買うときは販売元が名前の通っているメーカーの時に限る。パソコンの周辺機器系だとエレコムとかアンカーとか、スマホケースだとシュピゲンとか、そのへんなどは販売がそれぞれのブランドだけれど発送はアマゾンで、そういうパターンの時は買う。

要は、買った後の、不良品だった場合とか、変な支払いとか、無用な揉め事を可能な限り回避したいだけ。相手が大手なら、その手のトラブルはたいてい避けられる。そういう意味で、多少の割高は安心料と割り切る。

ところで。
今日、12月8日という日は、なかなかいろいろ忙しい日という印象が強い。お釈迦さまが悟りを開き、ジム・モリソンが生まれ、ジョン・レノンが撃たれ、太平洋戦争が始まった。

犬とか狸とか

「あんたってさ、好みの女の顔の系統が、露骨にわかりやすいよねw」

或る日、女子の友だちから、雑談の中で、唐突に言われた。

「そうか?」
「うん」
「別に系統なんかなくね?」
「あるw っていうか、憧れるみたいなタイプと、実際に好きになるというか仲良くなるタイプがさ、違いすぎるんだよw」
「意味がわからん」
「要するに、好きな女優とか絶対に手が届かない女と、現実的に手が届きそうな女で、好きになるタイプがぜんぜん違う」
「おまえに何がわかるんや? おまえはおれのお母さんか?w」
「お母さんじゃないけど、わかるw」
そう言って、妙にドヤ顔で、続けた。
「憧れるタイプはネコとかキツネ系のシュッとした美人系の顔、でも現実的に好きになるタイプはイヌとかタヌキ系のポチャっとした、どちらかというとかわいい系の顔、なんならちょいブサまであるw」
「ああw」
「でしょ?w」
「確かに、否定はできんかもしれんw」
「めっちゃわかりやすいんだよねw 傍から見てても、ああこの子好みだろうなとか、得意じゃないタイプだろうなとか、すっごいわかる」
「顔とか態度とかに出とる?」
「っていうか、あんたの趣味を知ってるから無意識のうちにそういうフィルター越しに見ちゃうんだろうね、だからなんとなくわかる」

確かに、それはその通りかもしれんな、と思った。実際のペットも猫より犬のほうが好きだし。

「だってさ、好きな芸能人は? とか訊くと、黒谷友香とか栗山千明とか本仮屋ユイカとか超美形ばっか言うけれど、そんなタイプ、周りにいないじゃんねw」
「まあなw」
「見事に犬とか狸とかぽっちゃり系ばっかだよねw あたしも含めてw」
「おまえはともかく、ぽっちゃり好きだからなw」
「憧れるのはキツい系、でも好きになったり仲良くなったりするのはホンワカ系、わかりやす過ぎてウケるw」
「勝手にウケとけw」

アホみたいな会話でも、たまに本質を突かれることは、ある。

ひたすら毛を起こす

先日、手持ちのモコモコ系フリースの潰れてしまっている毛をひたすら起こし続けた。

もともと人との雑談の中で「モコモコ系のフリースって着続けていると、一部だけ毛がペタンコになってしまって、かなりみっともなくなるから、まだ機能的には問題ないのに見た目的にダサくて捨てるしかなくなるんだよな、もったいないけれど」みたいなことを言ったら、「ググってみたことある?」と訊かれ、「ない」と答えたら、「ググればいくらでも再生できる方法が出てくるよ」と言われ、「あんな潰れてる毛が再生すんのか? フェルトみたいになってるぞ?」と重ねて訊いたら、「よっぽどボロじゃない限り、地道にやれば復活する。ユニクロの公式にも方法が載ってるし、ネット上では、たとえばワンコのブラシとかお風呂洗うブラシとか人間用のヘアブラシとか、いろんな人がいろんなモノを使って試してる。で、ひたすら毛を起こしていくの。あたしもヘアブラシでやった」と言われた。

もうワンコのブラシはないけれど、ヘアブラシなら色々なタイプのものがいくつもあるし、ググるよりそのまま訊いた方が話が早いので、訊いてみた。
「ヘアブラシって何でもええの?」
「コームとかじゃなくてブラシならいいと思うよ。あたしはふつうのヘアブラシでユニクロのモコモコを復活させた。ただブラシが柔らかめだと毛の固まりに負けちゃうから、なるべく硬めのプラスチックとかの方が良いと思う」
「じゃあやってみるわ」
「とくに固まってるところは、躊躇せずにブラシをガッツリ突っ込んでガシガシと縦横無尽に上から下から右から左からしつこいくらいにひたすらブラッシング」
「そんなにして大丈夫なのかよ」
「意外に大丈夫、ただどうなっても責任は取れんよw」
「べつにそんなもん取らんでええけどw」

というわけで、ユニクロのやつとかノースのやつとかのモコっているタイプのフリースで、肘より先の前腕とか袖口とか背中とか襟の内側とか、要は家で着ていて机や椅子の背などで圧し続けたために毛が潰れているものが五着あったので、こいつらをまとめてやっつけた。

それでも、基本チキンなので、まずは一番安くて古いやつからやってみた。そして、けっこう地道にブラシをかけていったら、本当にみるみるうちに見事に復活していって、ちょっと感動してしまった。ガッツリ寝ている部分は細かく入念に、そうでもないところはザックリ、という感じでメリハリをつけつつ、ひたすらやった。で、そうとうガシガシとブラッシングしても別に傷まないことがわかったので、結局、五着全部やっつけた。

ただ、ノースやパタは外へ着ていくことが多く、家の中で着続けるということがほとんどないので、そんなに露骨に潰れてはいなかったものの、それでも袖口とかはやはり毛が寝てしまっていたので、起こしてやった。家用のユニクロのモコモコなんかは去年の今頃買って三ヶ月くらいしか着ていないモノでさえ、もう腕や背中が潰れていて(ワンシーズンでダメになるのかよ)と思っていたのだけれど、ひたすらブラシをかけたらちゃんと復活した。これは、今年のラインナップにはないカラーなので、復活できて嬉しかった。というか、どんなものでも、モコモコ系フリースが買った時のようなフワフワ感を取り戻すと、シンプルに嬉しい。

しかしひたすら黙々とフリースにブラシをかけていたら、なんかロングコートのワンコの毛にブラシをかけていた時の感触を思い出してしまった。なぜかうちの歴代のワンコたちはみんなブラッシングされるのがやたら好きで、かけているとすごく気持ちよさそうにしていた。

それはともかく。
作業は床で広げてやったのだけれど、部屋の床が毛だらけになってしまい、その点もワンコのブラッシングと同じで笑えた。まあ、仕方ないので、全部の作業終了後、掃除機をかけた。しかし埃みたいに細かい毛は出たけれど、どのフリースも生地が痩せてしまったとか禿げてしまったとかは、一切ない。