ここ最近

近年最高レベルでテレビを観ている気がする。相変わらず自分の中の韓国ドラマブームが続いていて、今年の初め頃から観始めたドラマ群(「ファントム」や「マッド・ドッグ」など)は終わったものの、新たに「ジャスティスー検法男女ー」「浪漫ドクター キム・サブ」「ミッシング ~彼らがいた~」などが始まっていて、途切れることがない。尤も自分が観ている韓国ドラマはどれも旧めではあるのだけれど、これまで全く観ていない自分的には新鮮なので、面白くて仕方ない。もう終わってしまったけれど、「ペガサスマーケット」なんて、ふつうならまず観ないジャンルなのに、かなり楽しめた。後枠の「ガウス電子」もめちゃくちゃ面白い。

というか、とにかく単純に、韓国ドラマは女優さんがみんな美人なので、ひたすら眼福。たとえお直し済であったとしても、どのみち画面越しに見るだけだから、別に関係ない。「ペガサスマーケット」も、チョ代理役のチョン・ヘソンが美人で可愛すぎた。今観ている「キム・サブ」に出ている ソ・ヒョンジン、「ジャスティス」に出ているチョン・ユミ(カタカナ表記だと同業で同名の人がいてややこしいけれど)もくっそかわいい。

韓国ドラマなんて一昔前の「冬のソナタ」の頃に「オールイン」や「天国の階段」や「ホテリアー」などを観ていたけれど、その後ぱったり観なくなってしまったから、そのへんで時間が止まっている。なので、今BSで放送されているちょっと古いドラマでも、自分的には新しくて、面白く観られる。ただ、これは前にも書いた気がするけれど、韓国ドラマはどれも吹き替えではなく字幕なので、韓国語なんて何を言ってるのかさっぱりわからない自分には「ながら見」ができず、時間を完全にテレビに取られてしまう。「アニョハセヨ」「ケンチャナ」「アゲスミダ」「アラッソヨ」くらいしかわからないから、ずっと画面を見ていないとすぐ話についていけなくなる。

そして、何より。

これら韓国ドラマに加えて、ちょっと前からBS日テレで「あぶない刑事」が月金で始まってしまったから、こちらも毎日録画して観ているため、もうレコーダーが大変なことになっている。

それにしても、やっぱり「あぶない刑事」は面白い。放送時はまだ免許が取れる年齢ではなかったので、「カッコええ」と思いながら見ていたクルマがいろいろ出てくるし、これくらい時代が前になると街の景色自体を楽しめる。しかし、430やY30のセドグロは流石に古臭く見えるのに、レパードの格好良さは異質。しかも、今更ながらの発見もあった。それは、最初の頃はダンディ鷹山もセクシー大下もトオルのことを「町田」と呼んでいたこと。イメージではいつも二人とも「トオル」呼びなので、なんか変な感じだった。それと、自分でも意外だったのだけれど、話をぜんぜん覚えていない。オープニングや、エンディングの「冷たい太陽」の映像なんかは完全に記憶のままなのだけれど、エピソードに記憶がない。そして、やっぱりこの頃の浅野温子は超かわいい。そのへんの女人とはレベルが違う。

あと、ドラマとはぜんぜん関係ないけれど、たいして期待せずなんとなく録画しておいて観た「すずめの戸締り」が想像以上に良かった。ただアニメなんかほとんど見ないし、まったく詳しくない自分的には、ジブリ感が強いというか、この人の映画は初めて観たのだけれど、たぶんめちゃくちゃリスペクトしているのだろうな、とは思った。いろいろな場面で、(千と千尋か?)とか(もののけか?)とか(ナウシカか?)とか、ついそう思ってしまうくらいオマージュが凄かった。

(敬称略)

と或る、架空の事件

登場人物

  • A子 B雄の妻で子持ち。現在は再婚し、別の人と家庭を築いている。
  • B雄 死亡。自殺として処理されている。A子との夫婦仲は良くなかった。
  • C A子が当時浮気をしていた男友達。
  • D A子の兄。B雄の先輩であり、仕事仲間でもあるが、当時ふたりは揉めていた節がある。
  • E A子とDの父親。当時は警察官。
  • F B雄の父親。
  • その他 B雄などにシャブを回していた胡散臭い友人達

事案

十ン年前のと或る夜、草木も眠る丑三つ時。
突然A子から、当時の遊び相手であるCのところへ「夫を殺しちゃった」と電話がかかってくる。それを聞いてCは急いでA子の自宅へと駆けつける。
着くと、確かにB雄がなんとも手際良くナイフで刺され、血塗れで死んでいる。
「本当にお前がやったのか?」
などと詰問していると、真夜中だというのに、誰かが家にやってくる。慌てて灯りを消し、Cは家の中で隠れ、A子は寝室に入る。
家にやってきたのはB雄の父親のF。真っ暗な部屋の中に入ってきて、灯りを点けると息子のB雄が血を流して死んでいて、警察に通報。
そうしている隙に、隠れていたCは、Fに気づかれないように家から脱出。

やがて110番通報を受けた所轄の警察が臨場。このとき、警察官として同業だからか、近所に住んでいたからか、それともA子とB雄が住んでいる現場の家が自分の息子のDの名義であるからか、理由は不明だが、なぜかA子の父親のEも現れる。この父親のEはその数日前に「娘(A子)が夫からDV被害を受けている」と最寄りの警察に相談済み。ちなみにA子は同じ家の中にいたが、子どもと一緒に寝ていたので、夫の異変には何も気づかなかったと証言。

B雄は刃物で刺されて死亡していたが、凶器と思われるナイフは体に刺さったままではなく、既に抜かれている状況で、しかも自分で自分を刺したにしてはなかなか難しい傷のつき方だったが、かといって女のA子にやれるような刺し方ではなかったし、発見者で通報者の父親による犯行とも考えられず、しかもB雄はポン中でもあったため、結局、警察も(なんか不自然な死に方だけど、妻である女にやれる殺しじゃないし、ポン中なんて何するかわからんし、奥さんは同業者の娘さんだし、まあ訳わからんショーモナイ自殺やろ)と軽く適当に扱い、発作的な自殺ということにしてさっさと処理。

想像できる解の一例

B雄が自殺ではなく他殺で、しかし女のA子に実行可能な殺し方ではなかったのなら、いったい誰が犯人なのか。というか、全く関係ない第三者的な強盗や殺し屋などによる犯行ではなく、関連する登場人物がAからFの六人で全員で、この中に犯人がいるとしたら誰なのか。関係者としては他にもB雄にシャブを回していた悪いお友だち達なんかいるだろうだけれど、事件には直接関係はしてなさそう。

実はCがやった、というのも考えられる。A子から「殺しちゃった」という突然の真夜中の電話というのが嘘で、本当はA子と結託し、というか薬物に溺れていてしばしば暴力を振るってくる危険人物の夫を自殺に見せかけて殺してくれ、そうしたらあんたと一緒になれる、みたいに上手いこと言われて頼まれ、殺した、という図も考えられないではない。惚れている女に頼まれたらそれくらいする男はいるかもしれない。B雄のDVに関してはA子の父親によって警察に相談済みだから、信憑性の裏打ちも問題ない。

しかし、それはあくまでもそういう設定の絵に過ぎず、実は更にその絵を内包する別の大きな絵を描いた者がいて、当日の夜中にB雄の父親さえやって来なかったら、本当はCも殺し、B雄とCがA子を巡る痴情の縺れから喧嘩になり殺し合いになってしまった、という構図を完成させる予定だったことも考えられる。つまり、何者かがB雄を殺した後に、A子に呼ばれてCがノコノコとやってきた時にはそのまま家の中に潜んでいて、隙を見てCも殺し、まるでB雄とCが殺し合いの喧嘩をしたかのように演出し、立ち去り、そのまま朝になって、A子が起きてくると家の中には血塗れの死体がふたつ転がっていて、びっくりしながら慌てて警察に通報、という筋書きの完全犯罪が成立する。争った二人とも死んでいるし、なんならB雄が夜中に突然やってきたCに激昂し、殺してしまい、しかしふと我に帰ったら自分のしでかしたことの重大さに怖くなって発作的に自殺を図った、なんてお話が成立すればもっとも破綻がないのだが、B雄の父親が真夜中に登場という想定外の展開によって全ての歯車が狂ってしまったため、頓珍漢なことになってしまった。

そう考えると、B雄が自殺ではなく他殺なら、果たして実行犯は誰なのか。そもそもB雄の父親のFが家にやってきた時に、家の中にいたのはA子とCだけだったのか。実はもうひとり、誰か潜んでいたのではないか、という疑念が生ずる。

B雄は自殺ではない。
A子は全体図を承知していたかもしれないがB雄を殺すことはできない。
Cは、本人の言葉を信じるなら、やっていない。というかどのみちA子とB雄は上手くいってなかったのだから、Cにはとくに殺す理由がない。
B雄の父親のFには息子を殺す動機がないし、自分でやったなら不自然極まりない真夜中という時間帯にわざわざ息子の家に来て死体を発見し警察に通報するなどという意味不明なリスクを犯すとは思えない。
そして、さすがに現役の警察官であるA子の父親であるEが犯人ということは、やはり動機がないし、ディレクター的な役割として全てを承知している立場だった可能性はあるものの、実行犯としてはまず考えられないし、いくら警察官といっても「他殺」を「自殺」にできるほどの権力などない。

と、なると、登場人物の中で残る人物は一人しかいない。ポイントは、この残ったひとりに、確固たるアリバイがあるのかどうか。あれば振り出しに戻るし、なければ疑念が深まる。しかし事件発生時刻が一般的な人なら通常は寝ている時間帯だから、「家で寝ていた」と主張されたらどうしようもない。そんな時間帯にはアリバイなんか証明できなくて普通。世の中のほとんどの人だって、夜中の二時や三時の自分のアリバイなんか証明できない。あとは、動機。人を殺すなんて生半可な気持ちでやれることではないから、それ相応の動機が絶対に必要。それほどまでの殺害動機があったのかどうかも解明しなければならない。

そして何より、もしもその残ったひとりが犯人となれば、A子の親族が犯人ということになるから、現在のA子の再婚相手が困ったことになる。もちろん現在のA子の夫が事件そのものに関与していた可能性はゼロだが(A子と出会う前のことなので)、だとしても現在のA子の夫の立場的に、自分の妻が殺人犯の妹(しかも事件に関与している可能性あり)、というのはそうとうまずいし、絶対に認めるわけにいかない。

いずれにしても、ひとまずA子の現在の夫の立場は横に置いておくとしても、今更ながら実は『事件』だったなんてことになれば、所轄の警察の杜撰な初動が問題になるし、十ン年と放置し続けた警察組織の体制も弾劾されかねず、警察のメンツ丸潰れ不可避。

よってこの架空の事件はポン中の『自殺』で押し切るしかない。

ついに真打登場

今夜19:30から、NHKの未解決事件で「下山事件」。
このシリーズは大好きで、第一回のグリ森から全部観ているけれど、ようやくキタ。
下山病患者(自称)の自分としては楽しみでたまらない。リアルタイムではちょっと観られないので、録画準備完了済。日曜にじっくりと観る予定。

www.nhk.or.jp

暴走する蚯蚓

最近発売になった新製品のボールペン、ジェットストリーム シングル(ライトタッチインク)を入手したのだけれど、書き心地が軽いってものではなく、まあ書く紙にもよるのかもしれないけれど、ヌルヌルというか、つるっつる。ただでさえ下手くそな字が、スルスル書けすぎるせい(おかげ)で、もうミミズが這っているというレベルを超越して、ミミズが暴走している。

自分はもともと油性ボールペンは、ジェスト派ではなくアクロボール派なのだけれど、今回のジェストの書き心地は、最早「軽い」というより「滑る」という感じで、どちらがいい、と比べる対象ではなくなってしまった感がある。どちらが良いとか悪いとかではなく、別物っぽい。

たぶん、字が上手い人はいっそう流れるように上手く書けて、逆に自分のようなただでさえ下手な人はいっそうヘタクソなミミズっぷりが増長しそう。たとえば本を読みながら取るメモなんかはスピード優先なので酷いものだけれど、ゆっくり丁寧に書くと、確かに気持ちよく書けて、筆記感がかなり良い。アクロ派から転向するかも。というか、おそらくそのうち0.7の替芯を買ってきて入れ替えると思う。この書き心地の快さは芯が太い方がもっと良さそうな気がする。

あと、どうでもいいことだけれど、今使っているケータイとお揃いのようなくすみ系の軸色が良い。というか軸そのものが良い。

www.mpuni.co.jp

さっさとヤル

単なる性格の問題だろうけれど、物事を先送りにすることが嫌というか、どうにも気持ち悪いので、なんでもさっさとやってしまいたいタチ。先送りにして、その結果、べつにやらなくて済むなら、もちろんやらないし、だらだらと放っておくけれど、どうせやらなくてはならないのなら、もうとにかくさっさと片付けてしまいたいし、片付けてしまわないととにかく落ち着かない。

たとえば、夏休みの宿題とか、ギリギリまでやらずに終わりの頃になってようやく追い詰められつつやる奴がいるけれど、あれが個人的には理解できない。やらなくていいなら、やらないけれど、夏休みの宿題なんて明けたら絶対に提出しなければならないのだから、自分は夏休みに入ったらすぐさっさとやってしまっていた。ざっくり言うなら、七月中には終えて、八月いっぱいは遊んでいた。それはべつに自分がいい子ちゃんだったわけではぜんぜんない。むしろ野比のび太レベルの極度のサボり魔なので、放っておいたらずっとやらないとわかっている。というかさっさと済ませて宿題のことなんか忘れたかった。なので、絵日記とか昆虫や植物の観察日記みたいな、ダラダラと毎日やらなければならないものが嫌いで嫌いで仕方なかった。とにかくもう昔から今まで一貫して「コツコツと地道に」みたいなことが超絶不得意。なんでもさっさと一気に済ませたい。

基本的に自分は、やらないでいいことはやりたくないし、やらないタチ。超面倒くさがりなので、その部分にはガキの頃から全くブレがない。とにかく何をやるにしてもまず「ああ、めんどくさ」と思う。でも、その次の段階で選択肢がふたつに分かれる。

その選択肢とは「で、どうすんの? やるの?」と「やらないの?」の二択。そして、どうするか考え、結局いつかはやらなければならないのであれば、さっさと猛然と着手する。しかし、別にやらなくてもいいんじゃね? 的なことと判断したら、ぜんぜんやらずに放置。そういう意味では、0か100か、でしか判断しない。適当にだらだらやる、という中間はない。白なら白、黒なら黒で、濃いグレーとか薄い灰色とかオフホワイトとかは、ない。濃いグレーとか薄い灰色とかオフホワイトとかの場合は、その状態がゴールに設定されている時。

よく「明日やれることは明日やればいい」みたいなことを言うけれど、これは尤もだと思う。ただ、自分の場合、明日やれることでも、もし今日やれるなら、今日のうちにさっさとやっつけてしまいたい、と考えてしまう。これはもう単なる性格なので、直らない。もちろん、かといって、他人にも「今日やれるなら今日のうちにやれや」とは思わないし、強制もしないし、しないことを否定的にも思わない。それはその人の自由。ただし、「明日」と言いながら、「明後日」「明々後日」とどんどん先延ばしにして、結局、ケツに火がついてからドタバタ大騒ぎしながらやる奴を見ると、バカか? と思ってしまう。むしろとことん先送りにするなら、そのまま放り出しちまえよ、と思うし、自分ならそうする。

たぶん他人からしたらそうとう面倒くさい人間だろうし、自分でももうちょっとなんとかならんか、とは思うけれど、どうにもならないからどうしようもない。

なので、物事を先送りにする奴って、かなり嫌い。というか、はたから見ていてイライラしてくる。正確にいうなら、べつに物事を先送りにするのはいい。ただ、だったら、後からもやるな、と思うし、それ以上に、後からバタバタ忙しそうにやっているところを見せるな、と思う。後から慌ててとか、後からグチグチ文句垂れながらとか、が嫌でたまらない。どうせ結局やるなら、さっさとやればいいのに、と思うし、で、文句言いながらも結局やるなら、最初から文句言いながらやれ、と思ってしまう。自分だって、やりたくないのにやらなければならず仕方なくやる場合、さっさとやることはやるけれど、かなりブツブツ文句は垂れるので、文句を言うこと自体は全く否定しないし、できない。とはいえ、嫌いといっても、それは「人間として」という意味では無いので、そのことで誰かを嫌いになることはない。べつにそういう奴ならそういう奴でいいのだけれど、そういうスタンスが嫌いというだけ。そもそも自分は他人のやることにどうこう言えるほどの人間ではない。

とにかく自分は、人類最高レベルのだらしない人間だという自覚があるので、たとえば誰かとどこかで待ち合わせとかする場合に時間が決まっていたら、交通事情等どうしようもない不可抗力の問題が発生しない限り絶対に何分も前にその待ち合わせ場所に着いているし、何なら三十分前とかもふつうにある。これはもう病気みたいなもので、待ち合わせの約束だけでなく、病院や美容院などの予約の時間もそう。必ずだいぶ前に行ってしまう。で、早く着きすぎたら、近くのどこかで時間を潰す。病院なら受付だけ済ませて、あとは時間まで診察室前の広い待合スペースではなく、ロビーみたいな場所で本を読んだり音楽を聴いたりして過ごし、予約の時間の十分前くらいに診察室前へと移動する。

こういう性格なので逆に、待ち合わせとか予約とか時間を指定されることが大嫌い。電車とか飛行機とか、乗り物の予約も嫌い。地下鉄みたいに、駅に行ったら来た列車に乗ればいい、みたいなパターンが一番好き。

要するに、先の予定を綿密に立てる、みたいなことが超苦手。というか、できない。そういう意味では間違いなく欠陥人間だという自覚が、ありすぎるほどある。

入らん→入った

自分は、相手によってというか、応答する前に音だけで相手がある程度わかるように、クラスタ毎に携帯の着信音を変えている。その着信音は、昔の着メロみたいな、既存の曲を使って自分で作ったやつ。なので、人といる時に電話が鳴ると、相手によって音が変わるので、訊かれる。

「ねえ、その着信音、買ってんの?」
「んなもん買うわけねーじゃん」
「でも、最初からなんて入ってないでしょ?」
「入ってない」
「どうしてんの?」
「作るんだよ」
「作れるの?」
「やってみりゃ簡単」
「なんでも作れるの?」
「手元に音源のデータがあれば、Macのミュージックアプリで作れる」
「そうやって作ったのってアンドロイドじゃなくてiPhoneでも使えるの?」
「使える。なんならやろか? 今の『とんぼ』」
「『とんぼ』はいらないw」
「作り方なんてググればいくらでも出てくるぞ? おれもネットで独学で覚えたし」
「いや、そういうのあたしは無理、そっちが作ったのをちょうだいw」
「じゃあ、あいみょんとかSuperflyとか、やろか?」
「あるの?」
「ないけど、音源はあるからすぐ作れる」
「じゃあ欲しいw」
ユーミンの『DESTINY』なら在庫があるぞw」
ユーミンもいいけど、『Beautiful』とか『フレア』とか欲しい」
「イントロが短いと作りにくいから『フレア』は無理だな。すぐ歌が始まってしまうと切るところが難しいし、うまくループしないだろうから。だいたい2、30秒くらいイントロのある曲が使いやすい。たぶん『Beautiful』はギリだ。だいたいさ、着信で歌声が流れたら変だろw」
「確かにw まあ曲はお任せするよw 何かちょうだい」
「じゃあ、作ったらメールで送るわ、たぶんパソコンからしか携帯には入れられんと思うけど、うちにパソコンある?」
「ある」
Windowsだと、おれ、やり方わからんけど」
Macだよ」
「だったら、こっちが送ったメールをパソコンで開いて添付してある着信音のファイルをデスクトップにでも置いて、それを、開いたミュージックアプリの中に適当にドラッグして放り込むだけ。あとは携帯と同期すると、着信音の設定画面を開けば勝手に入っているから、選ぶ」
「できるかな?w」
「それくらいできるだろw 音楽を同期するのと一緒なんだから。で、一回取り込んだらデスクトップのファイルはもう不要だからゴミ箱へポイでいい」
「わかった。くれたら、やってみるw」

で、後日、暇な時に『 Beautiful』の着信音を作った。しかし、改めて着信音として使うことを前提にいろいろ聴いてみたけれど、Superflyもあいみょんもイントロの短い曲が多い。なので、なかなか使い勝手の良い楽曲がなく、結局、『Beautiful』の他に、手持ちの中から『DESTINY』とB'zの『ZERO』を選んで三つのファイルをメールに添付して送った。

すると、少ししてその相手から電話がかかってきて「ありがと」のあと、「でも、ミュージックに入らんよ」と言われた。
「入らんって、ファイルのアイコンをドラッグして適当なところでドロップするだけだぞ」
「それが何回やっても弾かれて入らないのよ」
「そんなわけないだろ」
「そんなわけあるんだって」
「じゃあ、ちょっと待て」
作った着信音はまだデスクトップに置いたままだったので、自分でもミュージックを立ち上げ、それを試しにドロップしてみた。すると、確かに何回やっても跳ねられてしまって、入らない。
「マジで入らんな」
電話で相手に言い、「でしょ」と言うので、なんでだろう? と頭を捻った。ファイルが壊れているのか? とも思い、プレビューで再生してみたけれど、ちゃんと音は鳴る。
「おかしい。ファイルは壊れてないのに」
「でもさ、ダブルクリックしてデフォルトの『ミュージックで開く』もできないんだよね」
「そうなのか?」
そう答えつつ、デスクトップに置いてあるファイルをダブルクリックして開けようとしたけれど、確かに開かなかった。試しに右クリからQuickTimeを選ぶと、ちゃんと再生された。
「わけわからん」電話口で呟き、相手に言った。「ちょっと調べてみるから、一応ファイルは捨てずに取っておいて」
「わかった」
「でも、今夜はもうやらんから、何かわかったらまた近々こっちから連絡するわ」
「わかったw」

で、改めていろいろググったのだけれど、どうもよくわからなかった。拡張子を「m4r」に変更せず「m4a」のままなら、またライブラリに入れられる。しかし「m4r」にすると弾かれる。なのに、以前に作って既にライブラリの中にある着信音(「m4r」ファイル)はちゃんとミュージックで再生できる。ということは、ミュージックアプリが「m4r」に対応していないわけではない。ただ、外から入れられないだけ(入れられるのかもしれないけれど、自分にはその方法がわからない)。ドラドロ以外の「読み込む」も無理だった。

しかしそこで、ちょっと閃いた。だったら、できるかできないかわからないけれど、短く変換した「m4a」の音源をいったんまたミュージックに戻し、その中で拡張子を「m4r」に変更すればいいんじゃないか? と。

というわけで早速、デスクトップの「m4r」ファイルを「m4a」に戻し、ミュージックに放り込んだ。すると当然、スムーズにそのまま入った。で、ライブラリの中でファイル名はいじれないので、いったんそのファイルを右クリからFinderで開き、そこで再びファイルの拡張子を「m4r」に変更して保存した。すると、見事にライブラリの中に「m4r」として保存された。つまり、成功。テストで再生してみると、ちゃんと音楽が流れた。

と、まあ紆余曲折あって、とにかく解決したので、後日、相手に電話をし、そのまま話しながらやり方を説明し、「なんかめんどうくさいw」とブツブツほざく相手を宥めすかしつつ二回の拡張子の変更をさせ、無事に取り込ませることに成功した。で、ついでなので、iPhoneと同期して着信音として設定するところまで説明し、「やってみ」と言ってひとまず電話を切った。

そして十分くらい後、向こうから電話がかかってきて、相手が言った。
「できたわw」
「よかったw」
「ちょっとテストでかけてみて」
「わかった」
いったん切り、すぐにかける。しばらく──というかだいぶ呼んだ後、相手が出る。
「ちゃんと『Beautiful』が流れたw」
「まあまあ違和感なくループしたろ?」
「した」
「三曲とも入れた?」
「うん」
「だったら、おれからの着信は『ZERO』にしてくれよ」
「個別の設定の仕方、わからんw」
「とりあえずデフォルトは『Beautiful』にしておいて、連絡先の個別のカードの「編集」を開くと着信音の設定があるから、そこで選べる」
「わかった、かな?w まあやってみるw」
「まあ、それくらいだったら今度いつか会ったときに設定してやるわ。女のケータイは触らない、がおれの信条なんだけどw」
「それは良い信条だねw」
「だろw」
「でも、できなかったら頼むかもw とにかくありがと」
「ぜんぜんええよ」
「ところでこれって、 LINEの電話の着信音にもできるの?」
「 LINEは設定に出てこないからたぶん無理。signalはできる」
「わかった」
「じゃあ、またね」
「またね、ばいばい」

というわけでひとまず全部終了。しかし、たかが着信音で、なかなか大変だった。というか、以前は「m4r」のままiTunesに入れられたのに、なんで仕様が変わったのか、よくわからない。このところ着信音なんてぜんぜん作っていなかったので、どのタイミングでそうなったのかわからない。ミュージックに変わった時か? とも思ったけど、ググってみるとiTunesでも入らないことがあるみたいだから、ほんとに意味不明。

因みに、全部終わってから、後からわかったことなのだけれど、ミュージックアプリに入れた着信音のファイルは、内部的には、『ミュージック』フォルダの中の『iTunes Music』フォルダの中にある『Tones』というフォルダに全部入っていて、そのフォルダへ直接ならドラッグ&ドロップで「m4r」のまま入れることができた。結果論だけれど、おそらく、これがいちばん簡単だと思う。

しかし『ミュージック』なんてアプリ名より『iTunes』の方が遥かに格好良い。内部的には今でもフォルダ名で使っているし。写真だって『iPhoto』のままの方が良かった。

伏魔殿

先日、ちょっと聞きたいことがあったので、何年か振りかの超久々に、携帯キャリアのショップへ行った。この頃は予約してから行くのがデフォっぽいけれど、面倒くさいし、たいした用事でもないので、直接行った。そうしたら案の定、店に入ると「予約ありますか?」みたいに訊かれ、「してません、無理ですか?」とこたえたら、まあ空いていたこともあって、「どうぞ」ということになり、テーブルに案内され、そのまま話をした。

で、まあこちらの用事はすぐ済んだのだけれど、店内にはもうひとりお客さんがいて、店員さんと何やら話していた。それで、そのお客さんはおばちゃんだったのだけれど、別に聞き耳を立てていたわけではないものの、テーブルが近いので、勝手に会話が聞こえてきた。その会話の断片から推測すると、どうやらそのおばちゃんは、その時に新しく携帯を買ったり替えたりしたわけではなく、自分の使っているiPhoneを持ってきて、何やら何かのやり方というか対処法みたいなものを聞いているみたいだった。

しかし、どんな使い方をしているのか知らないけれど、耳に入ってくる会話を聞くともなく聞いていると、そのうちになんか大容量のプランヘの変更を勧められ、iCloudの50GBまで勧められて、「よくわからないから、やってやって」と言いながら設定してもらっていた。

それを横目に、言葉はちょっと悪いかもしれないけれど(やっぱ携帯ショップって伏魔殿やな)と思った。だいたい、普通のおばちゃんが何十ギガのプランやiCloudの50GBのストレージなんていったい何に使うのか。なんか聞こえてくる会話を聞いていると、もうなんでも店員の勧めるままに従ってしまっていて、(このおばちゃん、ほんとにわかっているのかしらん)と思ってしまった。もちろんそんなことは大きなお世話だし、おばちゃん本人が納得して満足しているなら良い話なので、別に文句は何もなく、自分の用事が済んだらさっさと出てきたけれど、改めて(携帯キャリアとの付き合いはオンライン一択だな)と思った。

ただ、自分の身に置き換えて考えると、うちの親なんか、もしも自分らだけで携帯ショップへ行ったら、なんかホイホイと変な契約をしてきそうだから、親どもの携帯の世話はくっそ面倒くさいけれど、絶対にあいつらだけでは行かせられんな、と思った。何せ、父ちゃんは自分のお古のMaciPadとカレンダーなどを同期させながら病院の予定を入れたり、メモ書いたり、アプリで天気やニュース見たり、将棋などのシンプルなゲームをしたりしているし、母ちゃんはフレッシュネスなどの飲食やドラッグストアのアプリで会員証やクーポンを使ったり、リマインダーで買い物リストを作ったり、Spotifyで音楽聴いたり、LINEしたりもしているけれど(全部設定をしたのも使い方を教えたのも自分だけれど)、AppleとかGoogleとかPayPayとかLINEとか、IDだのパスワードだの全く理解できていないレベルなので、ショップなんか行ったら鴨ネギでしかない。そもそも最も根底にあるOSがどういうものかもわかっていないし、アップデートって何? エアドロップって何? というレベル。

というか今やマジでもうそのへんのオジサンオバサン、ジジイババアまで、みんなスマートフォンを使っているけれど、Apple IDだのGoogleアカウントだのPayPayやLINEのアカウントだの、ちゃんと意味わかってるのか? と疑問に思ってしまう。そもそも最初に端末を買ってセットアップする時点で、iPhoneならApple ID、AndroidならGoogleアカウントを作らなければならないけれど、既にその段階から、アカウントやパスワードの文字列を考えたり、IDがどういうものかちゃんと理解して、そのうえで作っているのだろうか? と不思議に感じる。

親の携帯をガラケーからiPhoneに変えたときは、ヨドバシに連れて行ってやったけれど、行く前にAppleGoogleYahoo!のアカウントは個別に作っておいて、店員さんに誘導されながらスムーズにセットアップできた(プライバシーの観点からか、各種アカウントの設定は、やり方は説明してくれても、やってはくれない)。その時、愛想の良い女の子の店員さんだったのだけれど(というか前日に自分だけで端末の在庫があるか確認しに行って、その時ついでに切り替えの手順などをその人に詳しく聞いていて、親名義の回線は名義人本人である親が来ないと手続きできないと言われ、だったら「お姉さんは明日います?」と訊いて「います」と言うので「じゃあ連れてくるからお姉さんが担当して」とお願い済みで名刺をもらい、指名で行った)、開通までやってもらいながら「ふつうのオッサンとかオバサンとかがガラケーからスマホにする時って、いきなり来て、この場でIDとか作るんですか?」と訊いたら「そうですね」と言っていて、「意味わかってるんですかね?w」と訊いたら、めちゃくちゃ曖昧に苦笑いしていた。

因みに機種変の時はオンラインで、自分がやった。手数料も取られないし。

LINEといえば、佐川なんか荷物があると「友だち登録して」と届くから友だちに加えているけれど、たとえば留守にしていて再配達の依頼をする時なんか、いちいちラインを介するよりドライバーさんの携帯に直接電話して「ごめんねー」と謝って「この後はずっといるから、いつでも、そっちの都合のいい時間でいいよ」ともう一度お願いした方が話が早いから、使ったことがない。